【ビジネス手帳】なぜ月曜始まり? 日本で最初に使ったのは福沢諭吉? 歴史から謎を紐解いてみた | ラジトピ ラジオ関西トピックス

【ビジネス手帳】なぜ月曜始まり? 日本で最初に使ったのは福沢諭吉? 歴史から謎を紐解いてみた

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 社会人にとって重要なスケジュール管理。この春からの新社会人生活に向け、ビジネス手帳を購入した人も多いのではないでしょうか。筆者も普段何気なく手帳を使っていますが、ふと気になったことが。カレンダーとは違い、手帳は“月曜始まり”が多いように感じるのです。一体なぜなのか、NOLTY(ノルティ)などの手帳を開発・販売を行う『株式会社日本能率協会マネジメントセンター』(以降、JMAM)に聞きました。

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手帳が「月曜始まり」なワケとは?
手帳が「月曜始まり」なワケとは?

 日本で初めて手帳を使用したのは福沢諭吉だと言われています。彼が1862年にパリで手帳を購入し帰国。その後、日本国内で「警察手帳」や大蔵省印刷局が発行した「懐中日記」が登場しました。特に懐中日記は暦日に合わせて記録し行動するためのツールで、初の国産手帳なのだそう。

 戦後の1949年には日本で初めての“時間目盛り”を入れた「能率手帳」が誕生し、ビジネスシーンで使う手帳が普及していきます。生産現場のコンサルティング活動を行っていた日本能率協会が「時間は資源である」という考えから、会員向けに手帳の配布を開始。これが戦後復興の時代の「生産効率をいかに上げていくか」というビジネスニーズに見事に合致。その後、能率手帳の評判が口コミで広がり市販化に繋がっていったのです。

 JMAMによると、当時の手帳は日曜日から始まり土曜日で終わるスタイルが主流だったそう。では、なぜ現在その多くは月曜始まりなのでしょうか?

「1970年代頃までは、会社や学校などでは週休1日制が当たり前でした。しかし80年代頃から社会全体で働き方が変わり、徐々に週休2日制が導入されていきました。そのため、日本能率協会では1週間の7マスの最後に土日を並べた方が予定を立てやすいはず……といった配慮の元、1990年版からメインの能率手帳を日曜始まりから月曜始まりに切り替え、“月曜始まり手帳”を販売しました。手帳は基本的にビジネスシーンでの利用を主体としています。使用者それぞれの『働き方』などを踏まえ発展した結果、現在では月曜始まりの手帳が主流になりました」(JMAM)

 これに対して、カレンダーは自宅での使用が主であるため、従来通り日曜始まりが多いと考えられているそうです。

カレンダーはほとんどが「日曜始まり」
カレンダーはほとんどが「日曜始まり」

 近年では“デジタル”と“アナログ”というツールの併用が一般的になっている事から「必要な機能だけ備えた手帳が欲しい」というニーズが高まっているとJMAMは言います。スケジュールはデジタル管理しつつ「ライフログ」としてアナログ手帳を使う人が増えてきて、書き込みスペースの多いタイプや自分のペースで日記が書ける「日付の入っていない手帳」などが注目されているとのこと。

日記用としてのニーズが高まりつつあるアナログ手帳
日記用としてのニーズが高まりつつあるアナログ手帳

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 時間目盛り付きの能率手帳は、2013年にNOLTYへとブランドネームを変え、時代の変化に合わせ新しい手帳の開発を続けており、今では世界に誇る 「時間に正確な日本人」の礎を築いた要因の一つとも考えられているそうです。スケジュール管理をどのように行うのかは人それぞれですが、友人・上司など第三者の管理方法を聞いてみると意外な発見があるかもしれませんね。

自分に合った手帳の使い方を見つけよう
自分に合った手帳の使い方を見つけよう

※ラジオ関西『Clip』2024年1月23日放送回より

(取材・文=濱田象太朗)

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