女子サッカーのINAC神戸レオネッサは、20日に行われた皇后杯JFA第45回全日本サッカー選手権大会の準決勝で、ちふれASエルフェン埼玉を延長戦の末に下し、2年連続で決勝に進みました。この一戦を元なでしこジャパン(日本女子代表)DFやINAC神戸現役選手らがラジオ番組で振り返りました。
準決勝第1試合に登場したINAC神戸。昨シーズンと同じ顔合わせとなった対戦では、点の取り合いに。2-2のまま延長戦となり、終了間際の120分、左MF北川ひかる選手の左足クロスが、競り合った選手たちの頭を越えてそのままゴールイン。土壇場で3-2と勝ち越し、7季ぶりのカップウイナー獲得へ王手をかけました。
決勝点について、北川選手は試合後のフラッシュインタビューで「最後の最後まであきらめないで、みんなが詰めてくれたからこそああやって入ったと思う。いつもならインフロントで蹴っているが、ゴールに向かうように蹴ったら、いいところに入ったので、うれしかった」と振り返っています。
この試合でベンチ入りしていたINAC神戸GK船田麻友選手は、ゲスト出演した22日放送のラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)の中で、決勝点をGK目線で解説。「(相手GKは)クロスをあげる瞬間はたぶん見えていると思うが、あのとき、目の前(ゴール前)に増矢(理花)と守屋(都弥)が飛び込んでいる状態。『この人たちが触るかもしれない』と思うと、(GKとしては)ちょっと動きづらい、反応しづらいもの。ちょっと増矢の頭に当たっていたかもしれないが、(誰にもさわらず)そのままゴールにボールが流れて入るシーンは、割と起こり得るもの。(競り合った)増矢と守屋が中にいたのも素晴らしかった」と語っていました。
同番組のパーソナリティーを務める元なでしこジャパンDF川上直子氏は、この一戦のMIPに、INAC神戸MF松原優菜選手をピックアップ。今シーズンからレオネッサの一員となったボランチについて「(INAC神戸に)加入した頃と比べて、全然プレーが違う。最初はすごくテンポもゆっくりで、ボールもなかなか受けられず、『大丈夫かな?』と思っていた。しかし、ここ数試合、ボールを奪われる回数も非常に少なく、DFからボールを引き出す動きやポジショニングがすごくよくなって、いろんなところでボールに関わることができるようになった。すごく安定している。プレッシャーを受けてもボディフェイントだけでかわしたり、すごくいい選手だなと思って見ている」と、中盤の要で攻守に奮闘する背番号6を絶賛。「ポジション柄、けっこうガツンとやられるシーンがあっても、ひゅっと(すぐに)立ち上がって、そのままプレーする。顔をしかめて痛がることもなく、いつも飄々としている」と、ブレない対応を評価していました。
チームメイトの船田選手は、松原選手について「見た目も落ち着いているので、お年寄り扱いされている(笑)」と明かしつつ、「ずっと冷静」と彼女の長所をコメント。決勝は大阪のヨドコウ桜スタジアムで行われますが、松原選手がセレッソ大阪堺レディース(現、セレッソ大阪ヤンマーレディース)出身ということもあり、「ヨドコウ(でのプレー)への思いは人一倍強いと思う」と、地元凱旋となる同僚のさらなる奮起にも期待を寄せていました。
1月27日(土)午後1時キックオフ予定の決勝で、INAC神戸は、PK戦の末に勝ち上がった三菱重工浦和レッズレディースと対戦。「(チーム状態は)すごく上がっている。いま、『チームで戦っている』とすごく思う」という船田選手は、宿敵対決に向けて「全員が優勝に向かってすべての準備をしている。その瞬間をみんなで分かち合えるようにしたい。ぜひヨドコウへお集まりいただき、みんなで優勝を喜び合いましょう! 応援よろしくお願いします!」とファン・サポーターにメッセージを送っていました。
※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2024年1月22日放送回より