大阪・関西万博(2025年4月13日〜10月13日 184日間)会場の人工島・夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)で展開する万博の開閉会式や、期間中に会場内で実施するイベント(計数千件規模)の内容を検討する有識者委員会「大阪・関西万博催事検討会議」の第4回会合が29日、大阪市内で開かれた。
大阪・関西万博は「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに実施され、パビリオンなどのほか、催事として、開会式などの「公式行事」、博覧会協会が主導する「主催者催事」、企業・団体・自治体などの「参加催事」で構成される。
これらの催事は「日本から世界に何を発信するか、数多くの社会課題をエンタメの力で楽しく解決できるか」が主な目的となる。
万博への公式参加国・地域、国際機関を称える催事「ナショナルデー・スペシャルデー」には現在参加を表明している169の公式参加者のうち131件と、全体の8割近い申し込みがあったという(申し込み期限は2024年10月末)。
「一般参加催事」については、昨年末に1次募集を締め切り、514件の応募があった。2005年の愛知万博(愛・地球博)の260件の約2倍にのぼる。
共同座長を務める大崎洋氏(吉本興業HD前会長 ※「崎」=たつさき)は個人的な意見として、「国内外からの多くの申し込みや提案は、ありがたい“キャパシティ・オーバー”。世界中が万博に参加したい、と多くの応募をいただいている。何としてでも、この期間中にやり遂げたい」と感想を語った。
各省庁との連携行事についても、内閣官房、復興庁、文科省、農水省、経産省など11の府省庁からテーマウィークを合わせて41件の申し込みがあった。
具体的には▼能や文楽、伝統工芸品の披露、▼障がいを持つ方々による舞台芸術、作品展示▼最先端のロボット技術の実演、体験などの企画が挙がった。
このほか、大阪府・大阪市を中心に43市町村すべてが連携し、世界へ向けて大阪の魅力や「大阪ウィーク」を開催する。会期中の5月、7~8月、9月にそれぞれ10日間程度、「祭り」をキーワードに多様な催事を展開する。
大阪らしい「だんじり」「やぐら」「太鼓台」が集結した曳行(えいこう)の実演や、来場者も参加する「盆踊りでギネスに挑戦」というプログラムも視野に入れている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
会議では、1月1日に起きた能登半島地震の復興への一助になる催事を、という意見が各委員から挙がったという。
また、能登半島地震被災地の復興を優先し、大阪・関西万博の延期を求める一部からの指摘について、運営する日本国際博覧会協会・武田家明催事局長は、「丁寧に状況を把握しながら政府と連携し、被災地の復旧、復興の妨げとならぬよう対応する」としている。