大阪・関西万博(2025年4月13日~10月13日 184日間)にパビリオンを出展する中華人民共和国が2日、会場の人工島・夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)で起工式を行った。
中国は独自で施設を建設する「タイプA」パビリオン。実質的に1月22日に着工済みだが、今後、本格的な工事を進め、来年(2025年)2月の完成を目指す。
大阪・関西万博の海外パビリオンをめぐっては、建築資材や人件費の急激な高騰などが影響し、準備の遅れが指摘されている。
「タイプA」の対象は55か国。このうち2月2日現在で着工したのは、シンガポール(1月10日)、中国(1月22日)ともう1か国(非公表)のみ。
中国パビリオンのテーマは「人類と自然生命共同体の構築」「グリーン発展の未来社会」。 人間と自然と共存する理念を打ち出し、 悠久の歴史を持つ中華文明の奥深さと豊かさを示したい としている。
竹をふんだんに使い、外壁を中国の伝統的な書道の「巻物」や「書簡」をモチーフにした。敷地面積約3500平方メートルは大阪・関西万博のパビリオンの中でも最大の広さという。
この日、中国式の地鎮祭が行われ、北京産の「漢白玉石(純白に近い大理石の一種・パワーストーンとして邪気を払うとされる)」を用いた石に、シャベルで砂をかけて工事の安全を祈願した。
中国国際貿易促進委員会の任鴻斌(レン・ホンビン)会長は「半世紀以上の月日を経て、(1970年以来)再び大阪で開かれる万博、全世界から注目されている。必ず世界を驚かせる万博となるだろう。中国の国家パビリオンデー(ナショナルデー)、各省・市のイベント、経済貿易フォーラムなど盛りだくさんの行事を予定している。豊かで多彩、ダイナミックで立体的な中国を示したい」とあいさつした。