香水やボディスプレー、ルームフレグランスなど、さまざまな「香り」商品が誕生している昨今。最近はサブスクサービスなども誕生し、手法や楽しみ方は多種多様になっています。その中でも、容器・ラベル・液体の色までカスタマイズできるサービスが日本の若者をはじめ外国人旅行客にも人気の様子です。
大阪の堀江に本店を構える「THE FLAVOR DESIGN」(大阪市西区)は、20年ほど前に自分の好きな匂いの「ファブリックミスト」を作ることができる日本初のサービスを生み出したショップ。近年はSNSの影響もあり、Z世代の中では数年前から人気が急上昇しています。代表の米田さんに詳しく聞きました。
――サービスをはじめたきっかけは?
元々、私自身「香り」を集めるのが好きでした。ある日、旅行でニューヨークに行った時、服装や髪型・時計を変えるように、まとう香りを変えることが流行っていたんです。香りをファッションの一部として楽しんでいる姿に感銘を受け、日本でも発信したいと思うようになり「THE FAVORIT DESIGN」を立ち上げました。
――どのようなサービスなのでしょうか。
店頭には香りを常時30種類並べています。まずは香りの齟齬が起きないようにご自身の鼻で好きな香りを3つほど選んでもらい、オーダーシートに書いてもらいます。それを見て調香師がお客さまに香りを提案します。店頭の匂いは時期によって変えるこだわりもあります。
――香り以外もオリジナルが叶うと聞きました。
2種類のオリジナルボトルがあり、キャップも選べるようにしています。香水に色をつけることも可能です。ラベルの書体はタイプライター風か手書き風からチョイスすることができ、自分だけの「ファブリックミスト」を完成させていただきます。人によって原料の分量はさまざまです。例えば香りに慣れていない人やふんわり香らせたい人には成分を調整します。だいたい100mlの瓶に詰めるのですが、毎日使用しても3か月以上は持つ量です。
――人気具合はいかがですか?
クリスマスなどのイベント時だと1日300人ほどの来店がありますね。「出会ったことのないサービスだ」と、近頃は海外の方にも人気。「世界に一つだけ」「自分だけのオリジナル」という点を喜ぶ声が多いですね。お客さま自身で使ったり、カップル・お友達同士だとサプライズプレゼントや誕生日に互いの香りを交換する方もいらっしゃいます。
☆☆☆☆☆
TPOだけではなく、気分や服装などによって着替える「香り」。この文化は今後さらに広がりを見せそうです。
(取材・文=弘松メイ)
※ラジオ関西『Clip』2024年2月22日放送回より