中古車販売大手・ビッグモーター(本社機能・東京都多摩市)の各店舗前で街路樹が枯死するなどした問題で、兵庫県警は18日までに、神戸市内の店舗で40代の男性店長(当時)を器物損壊容疑で書類送検した。
元店長は2021年4~5月ごろ、同社の神戸北店(神戸市北区)の店舗前の歩道上にが除草剤を散布し、ケヤキの木14本を枯らした疑いが持たれている。
元店長は容疑を認めているが、動機について「植樹帯にまいたわけではなく、歩道などの割れ目に雑草が生えていたから」などと述べているという。
また当時の状況について、「店舗への環境整備点検が厳しく、雑草が1本でもあると減点対象になった。(こうしたことから)雑草が生えない方法として除草剤を使えば、という話もあった」と説明している。
神戸市は同年6月、街路樹のケヤキの木が14本が枯れていたことを把握し、撤去していた。市は2023年9月、兵庫県警に被害届を出した。
なお、同社の伊丹北店(兵庫県川西市)など(※)でも街路樹が除去されたとして、兵庫県が兵庫県警に被害届を出していたが、除草剤を散布した人物を特定できなかったとして、時効が成立していない伊丹北店については容疑者不詳のまま器物損壊容疑で書類送検し、捜査を終えたという。
神戸北、伊丹北の両店舗前の街路樹は、問題発覚後にビッグモーター側が費用を負担し原状回復されている。
※加古川店、宝塚インター店についても街路樹枯死が確認された(2023年7月現在)としていた。
ビッグモーター社をめぐっては、警視庁が3月、同社の前副社長(35)と東京都内9店舗の当時の店長ら計13人について、同容疑で書類送検した。
店舗の清掃状況を確認する環境整備点検の強化などが原因で、街路樹の伐採に多大な影響を与えた可能性が高いと判断したとみられる。