サッカー・国内女子プロリーグ「WEリーグ」のINAC神戸レオネッサは、20日と23日の試合でいずれも3-0と勝利。4試合連続クリーンシートでの白星を達成し、リーグ戦の折り返しでも好調を継続しています。そのなかで、なでしこジャパン(日本女子代表)OGの川上直子氏が、自らがパーソナリティーを務める25日放送のラジオ番組で、今シーズン前半戦で苦悩していた若きアタッカーの復活ゴールにスポットライトを当てました。
20日の第11節、ちふれASエルフェン埼玉とのアウェイ戦で、先制点を挙げるなど、活躍を見せたのが、20歳のINAC神戸FW愛川陽菜選手です。
AS埼玉戦では、開幕戦以来の先発入りを果たした愛川選手。前半の11分、なでしこジャパンFW田中美南選手の粘り強い折り返しに反応し、右足ダイレクトシュートでゴールネットを揺らしました。これで勢いに乗ったチームは、前線での愛川選手の攻守にわたる活躍もあり、難敵とのアウェイ戦で快勝しました。
ルーキーイヤーの2022-23シーズンでは6試合に先発するなど13試合2得点という成績を残していた愛川選手。今シーズンのリーグ戦でも全試合に出場中と、INAC神戸の若きホープの1人です。
しかし、今シーズンは、第2節から第10節まで途中からの出場が続き、プレータイムも短く、持ち味を発揮しきれず。もがき苦しむ様子が見られました。特に第8節・三菱重工浦和レッズレディースとの首位攻防戦では、71分から途中出場しながら、アディショナルタイムに交代するという屈辱も味わっていました。
その様子を見続けていた川上氏は、第2節以来となるゴールを決めた愛川選手について、「なかなか結果が出せず、本人も苦しんでいた。途中から入って途中交代という、選手にとってはつらいこともあった。それらを乗り越えて、先発の座をつかんで、結果を出した」と復活を称え、AS埼玉戦のMIPに愛川選手をチョイス。
また、得点シーン後、田中選手をはじめ、イレブンが愛川選手の頭をポンポンと軽くたたきながら喜び合う様子を目の当たりにして、「みんなが(愛川選手の)結果が出るようにと、温かい目で見守っているのを感じた。チームワークの素晴らしさに感動した」と、川上氏は若きアタッカーを盛り立てるチームの雰囲気にも注目していました。
試合後、INAC神戸のジョルディ・フェロン監督も愛川選手の活躍を称えていましたが、「監督にほめてもらえると、選手としてはうれしいもの」と、川上氏は選手心理を代弁。
23日の第12節、AC長野パルセイロ・レディースとのホームゲームでも先発した愛川選手は、前半のみのプレーでしたが、得点機に絡むなど、引き続き奮闘する様子も見られました。
INAC神戸は、19歳のFW桑原藍選手がAC長野戦で今シーズン2点目となるゴールを記録すれば、同じ試合で18歳のU-20日本女子代表FW辻澤亜唯選手がWEリーグデビューを果たすなど、若手攻撃陣の競争が激しさを増しています。
そのなかで、スピードと得点力が魅力の愛川選手のさらなる活躍は、INAC神戸のリーグタイトル奪還、今シーズン2冠達成のためにも不可欠なものとなるはず。川上氏は、「頑張っている様子を観てくれる人もいる。シースンのなかでいろいろ悔しい思いをするときもあると思うが、ぶれずに、やれることをがんばってほしい」と、INAC神戸の24番にエールを送っていました。
※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2024年3月25日放送回より