家庭で余っている食品を持ち寄り、必要としている福祉団体・施設などに寄付することで、食品ロスの削減につなげる「フードドライブ」。2017年から取り組みを始め、市内118店舗のスーパーやフィットネスクラブなどに食品回収ボックスを設けている神戸市でも、その成果が少しずつ表れているようです。
神戸市中央区のダイエー神戸三宮店では、サービスカウンター付近に回収ボックスが設置されています。店長の井ノ元さんによると、「余った食品といっても、お歳暮やお中元の季節のあとには特に、もらいもので食べきれないとしてギフト品がよく入れられています」とのこと。単品のレトルト食品から、贈答品の箱入りの油など、寄付される食品はさまざまです。
回収ボックスを設置することについては、「普段から利用する場所にあることで、地域の方が参画しやすい環境づくりができていると思っています。当店としても、食を通じて地域貢献ができることに意義を感じています」と話していました。
回収できる食品は、常温保存ができ、賞味期限まで1か月以上ある未開封のもの。缶詰めやレトルト食品だけでなく、乾麺やお菓子、粉ミルク、調味料なども対象です。
回収不可なのは、手作り品やアルコール類。製造者または販売者、成分またはアレルギー表示が明記されているもの、さらに、海外製品の場合は日本語表記があるものに限ります。
イベントなどを通してPRしてきた結果、回収量は年々増加。2022年度には神戸市全体で23.8トンもの食品が回収され、家庭の台所ごみのおよそ2割を占めるといわれている食品ロスの削減につながっています。
食品ロスを出さないための取り組みは、ほかにもあります。外出前に冷蔵庫の中身をチェックして計画的に買い物をする、購入後すぐに食べる場合は棚の手前にある賞味期限の近い商品や値引き品を積極的に選ぶ「てまえどり」を心がけるなど、普段からできることはたくさんあります。
神戸市環境局の清水さんは、「皆さんの身近にある実施店舗を見つけていただいて、ご自宅にある“食べられるのに捨てられる食品”をどんどん減らしていただければ」と利用を呼びかけ、同じく環境局の高見さんは「食品の寄付を通じて食品ロスについて考えてもらえれば」と話しました。
※ラジオ関西『サンデー神戸』2024年3月24日放送回より
【神戸市:家庭で余っている食品でできる支援・寄付(フードドライブ)】
◇『サンデー神戸』
【番組HP】
【アーカイブ記事】