大阪・関西万博の開幕まで、4月13日で1年。
万博を統括、監督する博覧会国際事務局(BIE / 本部フランス・パリ)のケルケンツェス事務局長が11日、大阪市内で会見し、海外パビリオンの建設が大幅に遅れている問題に触れ、「各国からの情報などを踏まえ、開幕には間に合う」と強調した。
大阪・関西万博の海外パビリオンで、独自に設計、建設する「タイプA」のカテゴリーに属するのは60か国。このうち36か国しか建設事業者が決まっておらず、着工したのは14か国(※)にすぎない(4月12日現在)。
しかしケルケンツェス氏は、パビリオンは一般建造物とは異なり、シンプルであるという認識を示したうえで、「着工すれば、多くの時間はかからない。日本国際博覧会協会だけでなく、各国からの情報を得て総合的に考えても、開幕までにパビリオンが完成しないという懸念はない。『では最終期限はいつなのか』と問われると、『(開幕前日の)2025年4月12日だ』と答えたい」と述べた。
大阪府と大阪市が昨年(2023年)に行ったアンケートでは、万博に行きたいと思う人の割合が33.8%と、1年前の調査から7ポイント以上減少した(21年度が51.9%、22年度が41.2%)。
この状況についてケルケンツェス氏は、「私が住むパリでも、オリンピック(2024年7~8月開催)の祝賀ムードは感じられない。メガイベントはそういうもの。過去の万博でも同じことが言え、ネガティブなものをはじめ、さまざまな意見がある。ビッグイベントの開催までによく見られる傾向だ」と話した。
そして、「残り1年で大阪・関西万博の重要性や価値を強く発信していく必要がある。海外の人たちが万博をどれほど楽しみにしているのか理解してほしい。建設が20%なら運営面が80%。今後は海外スタッフの支援など運営面で多くの課題が発生する。具体的な準備を進めたい」と語った。
※着工済みの14か国(4月12日現在)~シンガポール、ルクセンブルク、サウジアラビア、オマーン、中国、アイルランド、トルクメニスタン、マレーシア、クウェート、韓国、ハンガリー、オランダ、オーストリア、ベルギー