普段、コンタクトレンズを使用されますか? 毎日使う、眼鏡と使い分ける、あるいは、視力の矯正というよりもおしゃれとしてカラーコンタクトレンズを使うなど、用途はさまざまだと思います。
コンタクトレンズユーザーにとって、花粉や黄砂が非常に多く飛散する春は、なんともつらい時期。目のかゆみをはじめとするアレルギー症状に悩む人も多いでしょう。そんな今こそ気を付けたいコンタクトレンズの選び方や使い方などについて、神戸の眼科医・松葉沙織先生(松葉眼科医院院長)に聞きました。
「そもそも目のアレルギー反応は、目の粘膜に直接花粉や黄砂などのアレルゲンが付着することで、かゆみなどの症状を引き起こします。本来であればほとんどが涙で自然に流れるものの、コンタクトレンズを装着していると目に留まりやすくなってしまう」と、松葉先生。
そうなると、アレルゲンの多い時期は、できれば裸眼や眼鏡で過ごしたいところ。
とはいえ、利便性や見た目などの観点から、できるだけコンタクトレンズを使いたいという人も多いと思います。そんなユーザーのため、選び方のポイントや、かゆみなどの症状が起こった際の対処法についても、松葉先生に教えてもらいました。
松葉先生は、「先述の通り、コンタクトレンズに花粉などが付着すると、かゆみをはじめとするアレルギー症状が起こりやすくなります。なので花粉や汚れが蓄積されないように、できる限りは毎日新しいものを」とコメント。
ソフトコンタクトレンズの場合はワンデータイプで、文字通り毎日使い捨てること。さらに、素材としては、シリコーンハイドロゲルタイプを選ぶと酸素透過性が良く汚れが付着しにくいというメリットもあるといいます。少し硬めの質感になるそうですが、試してみるのも良いかもしれません。
一方、基本的には年単位の使用となるハードコンタクトレンズについては、最近は3か月という短期間で交換する商品もあるよう。汚れの蓄積やレンズの劣化といった観点から、このような商品を選んでみるのも良さそうです。
コンタクトレンズを装着中に堪えきれないかゆみなどに襲われたときは、かゆみを止める目薬を使用したり、人工涙液の目薬で花粉を流す、眼を冷やすというのも効果があるとのこと。「どうしても眼を洗いたい!」と思ったときにコンタクトの上から洗眼できるといったアイテムもあるんだとか。
それでも、なかなかおさまらず、かゆみがひどい、充血しているなどの症状があれば、我慢しすぎず、悪化する前に早めに眼科を受診することが望まれます。
花粉の飛散がひと段落しかけていくかと思いきや、4月中頃からは黄砂飛来のニュースも続くなど、コンタクトレンズユーザーにはなにかとつらいことも多い今春。それでも、自身の目を大切にすべく、コンタクトレンズ使用の際は、適切な選択やケアをしていきたいものです。