十二支の石像が13体!? そのうち1つが「パンダ」! 神戸・南京町の石像の謎に迫る | ラジトピ ラジオ関西トピックス

十二支の石像が13体!? そのうち1つが「パンダ」! 神戸・南京町の石像の謎に迫る

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 横浜中華街、長崎新地中華街に並ぶ日本三大中華街の一つ、神戸の「南京町」。中国の旧正月に合わせて今年2月に行われた「春節祭」には3日間で約20万人が訪れるなど、神戸の観光スポットとして親しまれています。その南京町には、中央の広場に十二支の石像が設置されているのですが、その数は、なんと13体! なぜか、1つ多いのです。しかも12体目に設置されたのは「亥」=「猪(イノシシ)」ではなく、なんと「パンダ」でした。いったいなぜでしょうか……調べてみました。

 南京町商店街振興組合によりますと、十二支の石像は、広場に車が侵入するのを防ぐ車止めとして1989年に設置されました。中国人の職人に発注したそうですが、届いた12体の石像を見て当時の担当者はびっくり。猪の石像がありません……。代わりにあったのが、愛くるしいパンダの石像でした。

猪の代わりに来た愛くるしいパンダの石像(南京町商店街振興組合提供)

「そもそも中国の十二支は『猪』ではなく『豚』だそうです。発注の方法まで記録にありませんが、『猪』の説明は尽くしたと思います。が、通じなかったのでしょうね。『日本人パンダ好きでしょ? もうパンダにしよう』というやりとりがあったかなかったかはわかりませんが、『パンダ』が来ました」とのこと。

 インターネットが日本で一般に普及し始めたのは90年代中頃。今のようにスマホで検索して写真を見せるのも難しく、言葉で説明すればするほど猪から遠ざかっていたのかもしれません。また、1972年に初めてパンダが日本に来てから、日本人はパンダが大好き。それもパンダの石像が来た理由の後押しになったのかも。

 とはいえ南京町に訪れた人から「なぜ猪がないのか」と質問が多く寄せられ、1996年に猪の石像が設置されました。石像を見るに、しっかり通じたようです。

「13体目」としてやってきた、猪の石像(南京町商店街振興組合提供)

 しかし、困ったのは置き場所。「追加発注したため、すでにスペースは埋まってしまい、広場の隅に置かざるを得なかった」とのこと。本来なら正しい十二支にもかかわらず、なんとも切ない結末に。

 ちなみにパンダは中国語で「熊猫」と書きます。猪が通じないにしても、どういう経緯でパンダになったのか本当に謎ですね。まあパンダはかわいいし……それでもいっか!

※ラジオ関西『Clip』2024年4月24日放送回「トコトン兵庫!」より

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Clip (1) | ラジオ関西 | 2024/04/24/水 13:00-14:00

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