タレントでドラァグクイーンのサマンサ・アナンサがこのほど、自身がパーソナリティを務めるラジオ番組で「メイク」についてのトークを展開。ドラァグクイーンメイクの極意から、一般の人の参考にもなるポイントまで語った。
番組で、「メイクするのに長い時間がかかると思いますが、落とすのに時間はかかりますか?」というリスナーからの質問に、「確かに、時間めっちゃ掛かるのよ」と明かしたサマンサ。通常2時間から2時間半は費やすのだそうで、これはドラァグクイーンの中でも長い方だという。時間を短くすることもできるが、そうすると短くしたなりの出来栄えになってしまうのだとか。
同じく番組パーソナリティを務めるインスタグラマーのウラリエから最も時間をかける工程を尋ねられると、サマンサは「基礎工事」と回答。「お家も基礎がしっかりしてないと。基礎にどれだけ時間をかけるか(が大事)」と説いた。
サマンサの場合、まずひげそりに始まり、ベースメイクで“おじさんの骨格”を女性らしい丸みを帯びた顔に見えるよう矯正。その上で、シェーディングなどの「コントワリング(コントゥアリング)」と呼ばれる作業により目鼻立ちの凹凸を際立たせる。そうしてメリハリある顔立ちに整える過程を経て、アイメイク、つけまつ毛、発色(色みを付ける)ハイライトなどを施していくという。
ちなみにベースには、落としやすさもあり、歌舞伎俳優なども使うドーランを2~3種類使っているそう。その上にパウダーといった具合だ。シャドーは欧米系ブランドのものが色のりしやすいという。
メイクは仕事内容によっても違うそうで、客との距離が保たれていて照明が強い舞台では、メイクの濃さなどに変化を加えるそう。例えばつけまつ毛。枚数は2~3枚で他の場合とあまり変わらないが、舞台の時は目を大きめに描くことから幅を違えるのだそう。そのため、舞台メイクのままテレビやラジオなど他の現場に行くと「キツく見えると思う」とした。
メイク時はライティングも大事で、自然光ではメイクはできないとのこと。最近はテレビなど近距離での仕事も増え、足を運んでみるまで会場の状況がわからないケースもあって、どの程度の下準備が必要かの判断を含めて苦労もあるようだ。
ナチュラルメイクが好まれる最近の傾向に「反してる感じ!」と話したサマンサ。その芯の通ったメイクエピソードを聞いて「一部始終を見てみたい」と口にしたウラリエに、「そらもう、(長すぎて)寝てまうよ」と即答して笑わせた。ちなみに、2時間以上かけたメイクを落とす時間は「極論で言えば3秒」と、短いとのことだった。
※ラジオ関西『Clip金曜日』2024年4月19日放送回より