コンセント1つで複数のスマートフォンを充電できるテーブルの制作に、神戸の文具会社が携わっています。この技術は、災害時における避難所でのスマホ充電問題の解決を目指したもので、無線で電気を飛ばす特許技術を持つ大阪の会社との共同開発で生まれました。
その開発秘話や今後の展開について、フリーアナウンサーの清水健と絵本作家の夏きこが木曜にパーソナリティーを務めるラジオ番組にゲスト出演した、株式会社ナガサワ文具センター(神戸市)の神納亮二さんと株式会社エレクトロンヴェクシー(大阪市)の池内智彦さんに話を聞きました。
ナガサワ文具といえば、社名にもある通り文房具の会社というイメージが強いですが、実は、オフィス家具なども取り扱っています。そんなオフィス家具の配置から配線までを考える法人営業部の神納さんが、「コンセントの配線をなくすことができれば配置がしやすくなり、お客様の希望を叶えられるのでは」と考え、協業相手を探していたところで出会ったのが、株式会社エレクトロンヴェクシーでした。
「携帯がひとつあれば、カフェや病院、ホテルで充電ができる。コンセントがなくても、充電ケーブルがなくても充電ができる」。そんな世界を作ることを目標としている同社と共同開発したのが、置くだけで充電することのできる「スマートテーブル」です。
スマートフォンを置くだけで充電できるというのは一般にも広まっている技術ですが、「スマートテーブル」の大きな違いは、コンセント1つで複数台の充電ができるという点。
これは、エレクトロンヴェクシーが所有する、無線で電気を飛ばす特許技術を利用して開発された「スマートチャージャー」をデスクに埋め込むことで可能になったそうで、最大で40台も充電できるといいます。この無線スマホ充電技術は、2025年開催の大阪・関西万博でも発表される予定だそうです。
スマートテーブルは、現在すでにホテルや、タリーズコーヒーのようなカフェなど、さまざまな場所で導入され、活躍しはじめているだけでなく、「災害時に避難所で活用することができないか」という検討も進められています。
「そもそも避難生活では、充電ケーブルを持ってきている人が少ない。そしてコンセントの数も限られていて、タコ足配線になってしまう」と分析する、池内さん。そのうえで、「スマートテーブルがあれば、コンセントひとつで機種を問わず複数台のスマートフォンの充電ができるため、避難所でのストレスを減らせるのではと考えています」と熱弁しました。
※ラジオ関西『Clip 木曜日』2024年4月25日放送回より