兵庫県の斎藤元彦知事がラジオ関西の生番組に出演し、開幕が迫る「神戸2024世界パラ陸上競技選手権大会」を盛り上げようと、機運醸成を図るための取り組みについて説明した。
大会は5月17日から25日まで、神戸総合運動公園ユニバー記念競技場であり、東アジアでは初めての開催となる。約100カ国・地域から約1300人のアスリートが出場する。トラックやフィールド競技で171の種目があり、選手はメダルと記録を目指して全力を尽くす。日本代表は66人で、芦田創選手ら兵庫ゆかりの選手は走り幅跳びなどに出場する。
大会を知ってもらおうと、4月末に神戸市中央区でパラスポーツの体験会を開催。東京パラ五輪の車いす100メートル銀メダリストの大矢勇気選手らが、子どもたちにパラスポーツのすばらしさなどをアピールした。斎藤知事は「車いすを使った競走はスピード感があり、迫力がすごい」と見どころを話している。
一方で大会には選手だけではなく関係者や観客など、国内外から多くの人が訪れることが予想される。兵庫・神戸の魅力を体験してもらうチャンスとして、兵庫県は誰もが自分らしく生きられるインクルーシブ社会の実現に向け、全国初の「ユニバーサルツーリズム推進条例」を制定した。
条例は、障がいや年齢などに関係なく誰もが行きたいところに旅行できることを目指し、(1)人づくり(2)宿・施設づくり(3)エリアづくりの3本柱で施策を展開。対象となった旅館やホテルなどには、施設整備の費用の一部を県が補助する。
実際に車いすに乗って温泉街を回ったという斎藤知事は「足湯につかるにもストッパーがないと怖いことが分かった」として、段差の解消などきめ細かく施設や地域を整備していく必要性を強調していた。