スーパーコンピューターの計算速度などを競う世界ランキングが5月13日に発表され、理化学研究所(理研)が運用する「富岳」(神戸市中央区・計算科学研究センター)が、特定分野の計算速度とビッグデータの処理性能の2部門で9期連続で世界一となった。
富岳は理研と富士通が共同開発し、それまでのスパコン「京(けい)」の後継として2021年3月に本格稼働を始めた。ライフサイエンスや防災減災、エネルギー、ものづくりなどの分野で成果を上げている。
この世界ランキングは、専門家による国際会議(今回はドイツで開催)が半年ごとに発表している。
富岳をめぐってはこのほか、人工知能(AI)の計算などで活用される部門では4位に後退(前回は3位)。計算速度を競う「トップ500」では、前回と同様に4位だった。
理研の松岡聡・計算科学研究センター長は「富岳は継続的に世界トップクラスの総合的な実力の高さを示している。今後これらの研究開発が、日本の科学技術研究全体のまい進、産業界での活用や早期の社会実装に向けて、大いに貢献するものと期待している」とコメントしている。