夏のレジャーと言えば何を思い浮かべるでしょうか? 夏祭りや花火大会・海水浴などサマーシーズンならではの様々なイベントが目白押しですが、ほとんど見かけることがないのが「イルミネーション」。冬のロマンティックな風物詩としての認知度は抜群のイルミネーションですが、なぜ夏時期は全くと言っていいほど企画されないのでしょうか。全国のイルミネーションの施工を手掛ける「スパークリングライツ株式会社」に話を聞きました。
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「夏のイルミネーションは存在しない事もないですが、大半は冬期に企画されています」と同社副社長の久間さん。いわく、冬にイルミネーションが行われるのには大きく4つの理由があるそう。
【日が落ちるのが早く、長時間の運営が可能】
冬だと16時頃には薄暗くなり始め、19時ごろには完全に暗くなります。17時ごろからイルミネーションを開始し22時に終わるとしたら、5時間ほど営業することができます。いっぽう夏は19時でもまだ明るいことが多く、暗くなる20時に点灯し終了が22時までだとすると3時間、終了を21時とするなら1時間の営業となり運営的に採算が取れなくなるそうです。
【空気が澄んでいるため】
冬は空気が澄んでおり、イルミネーションにとって好条件の環境と言えます。醍醐味である光のキラキラは冷たく乾燥気味の空気のほうが際立つのです。夏は空気がたっぷりと湿気を含んでいるため、冬に比べると煌めいて見えないのだそう。
【樹木への影響が少ない】
電飾などを樹木に巻き付け設営するることが多いイルミネーション。夏季は樹木の成長が1年のうちで最も活発になり、長時間にわたり幹や枝にケーブルを巻き付けていると引っ張られたりして負担になってしまうのだそう。また、葉が生い茂る時期でもあるので電飾の光が遮られてしまうなどの弊害も。
【集客目的】
寒い冬は人々の外出機械がどうしても少なくなります。そのため、商業施設やレジャー施設などにイルミネーションをほどこし、集客効果を高める効果も大きいようです。
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様々な理由から、夏ではなく冬に開催される事が圧倒的に多いイルミネーション。ですが、開催数は少ないものの夏のイルミネーションも行われています。その場合は屋内で行ったりスポットライトのような電飾で下から照らし樹木への負担を避けるなど、季節に合った工夫がなされているようです。
※ラジオ関西『Clip』2024年5月28日放送回より
(取材・文=濱田象太朗)