地産地消の食材を生かしたご当地バーガー店が各地で生まれるなど、令和もハンバーガー人気はとどまるところを知らない。神戸・須磨海浜公園の近くに店を構えるのは、「BURGER&STEAK BULL BULL」(神戸市須磨区)。もともと建設業を営んでいたオーナーの呉本茂永さんが、2年前に妻と一緒にオープンした。店内の雰囲気や調味料まで“アメリカ”にこだわる店だ。
同店自慢のハンバーガーのパテは牛肉100%。通常ハンバーグに用いられることの多い合い挽き肉は使わない。ソースは、醤油ベースの玉ねぎをたくさん入れたシャリアピンソースを使用。呉本さんによると、普段「ハンバーガーはちょっとしつこい」と感じているような人でも食べやすいことを意識して仕上げているという。
また、ニューヨークで定番の屋台飯『チキンオーバーライス』もメニューに並ぶ。バターターメリックライス、グリルチキン、サラダとヨーグルトマヨソースが相性抜群な一皿。呉本さんが「酸味のないタバスコのよう」と表現する、アメリカ直輸入の“ホットシラチャーソース”をかけて食べるのが本場のスタイルだそう。
じつはアメリカには、ハンバーガーの本場ならではの厳格なルールがあるのだという。たとえば、チキンバーガーやエビバーガー、ベジタブルバーガーなどは、アメリカでは“ハンバーガー”と呼べないとのこと。呉本さんによると、「アメリカ合衆国農務省は、法律で『牛肉100%でなければハンバーガーではない』と定めています。牛肉以外の肉が入ったものを、アメリカではハンバーガーと呼ぶことはできない」とのこと。逆を返せば、同店の商品はアメリカでも正々堂々“ハンバーガー”と名乗れる、というわけだ。
アメリカの風は、「BULL BULL」という店名にも。じつは呉本さんはバスケットボール経験者。そのうえ牛肉を扱う店を開くというので、マイケル・ジョーダンが所属していたNBAの「Chicago Bulls(シカゴ・ブルズ)」のチーム名であり、雄牛を意味する“BULL”を店名に入れたいと考えていた。ただ、その一語だけだと少し怖いイメージだったため、「2つ並べたら可愛いいんちゃう?」という妻のアイデアを受けて「BULL BULL」にしたのだとか。
当初は「和食の店に」を想定していたが、場所柄、若い人や家族連れに喜んでもらえるような気軽に来られる店にしたいと考えてハンバーガーに目を付けたのだそう。須磨海浜公園には、今月1日に水族館・神戸須磨シーワールドが開業した。呉本さんは「神戸須磨シーワールドの行き帰りなどに、本場仕込みのハンバーガーを味わってほしい」と意気込んでいた。
※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』2024年5月28日放送回より