毎年、虫が出てくる季節になると目や耳にする、蚊取り線香でおなじみのKINCHOのCM。そのユニークさから、インパクトに残っているという人も多いのではないでしょうか。このたび、CM制作関係者がラジオ番組に出演し、ラジオCMの制作秘話を語りました。
毎年話題になるKINCHOのラジオCMですが、今年は「言い訳ムエンダー」というテーマで3話が公開されました。部屋にいながら害虫を駆除することができる「ムエンダー」の特徴から、親子や友人、単身赴任中の夫婦の会話形式によるCMとなっています。
今回、CMの裏話を明かしてくれたのは、KINCHO(大日本除虫菊株式会社)宣伝部の小林裕一さんです。
――「言い訳ムエンダー(ムカデ編)」は、実家を出て暮らしている息子と母親の電話越しでの会話。息子に会いたい母親が「ムカデムエンダーしにきて」を言い訳にして「会いたい」を伝えるという内容になっていますが、どのような狙いで作ったのでしょうか。
【小林さん】いろんな方がそれぞれ自分事に置き換えて共感してもらえる内容にしたかったんです。CMのシュチュエーションはその一例だと思っています。
――方言で話しているので、どこか懐かしい雰囲気もして余計に引き込まれます。
【小林さん】 広島の方言を使っているのですが、実は、ムカデの被害は西日本のほうが多いんです。テレビCMでは、九州や四国などさらに細かいエリア別の方言でCMを制作していますよ。
――最初は標準語で話していた息子が、途中から方言に戻っていくのもリアルですよね。
【小林さん】 そうなんです。都会から徐々に故郷に戻っていく息子さんの心情の変化を表現しようとしたんです。
――そこまで細かく計算されているんですね。昨年放送されていたラジオCM「マスクをはずしてシリーズ」は、今年のギャラクシー賞ラジオCM部門(2023年度)を受賞されたそうですね。おめでとうございます。
【小林さん】 ありがとうございます。
ーーKINCHOのCMは、ユニークでインパクトに残りますよね。
【小林さん】 CMを聴いてもらうためには、やはり楽しくないといけないと思うんです。会社名や商品名を全面に出していないので、最後まで聞かないとKINCHOのCMだと分からないと思うのですが、そうすることによってあえて興味を持ってもらうことができますし、CMをひとつのコンテンツとして楽しんでいただけたらうれしいです。