阪神・淡路大震災の犠牲者を追悼するイルミネーション行事「神戸ルミナリエ」について、同実行委員会のメンバーらでつくる検証チームは、開催時期を12月から1月に変更したことが好評だったとする報告書をこのほどまとめた。報告書によると、混雑を避けるため、会場を分散化したことについても来場者・地元事業者ともに評価が高かったという。
検証チーム長の中内仁・神戸ポートピアホテル社長が、実行委員長を務める今西正男・神戸市副市長に報告書を渡した。
第29回となった今年1月のルミナリエでは、新しい試みとして▽開催時期を12月から1月に変更▽メイン会場を東遊園地、旧居留地、メリケンパークの3か所に分けた▽メリケンパークに有料エリアを設置、の3点を導入。会期中に約229万8千人が来場、うち約15万人が有料エリアで鑑賞した。
ルミナリエをより良い形で継続する目的で、検証チームは会場やWebでアンケートを実施。来場者や地元飲食店など事業者らの声をまとめ、分析した。
アンケートによると、来場者のうち、東遊園地で52パーセント、メリケンパークの有料エリアで73パーセントが「1月開催がよい」と答えた。また三宮や元町の飲食店関係の事業者らも76パーセントが1月開催を支持。検証チームは「震災が発生した1月の方がより開催意義を意識しやすかったこと、商業的には閑散期の1月の方がプラス効果をより感じやすくなったことが考えられる」との見方を示した。
会場を3つに分けて来場者の回遊性を目指した取り組みについては、東遊園地の来場者の63パーセントが評価。地元事業者も69パーセントが「人の流れが多様化した」と答えたが、「もっと周遊を促す工夫が必要」との声も多かった。
メリケンパークの有料エリアは、前売り500円、当日1000円で1時間単位の日時指定制。同エリアで行ったアンケートでは、76パーセントが「ゆっくり鑑賞できた」と回答、「価格に応じた内容だったか」との問いには、79パーセントが「はい」と答えた。