『太陽戦隊サンバルカン』、『宇宙刑事ギャバン』、『キン肉マン』など特撮ヒーローのアニメソング主題歌でおなじみの串田アキラさんは、今年でデビュー50周年を迎え、11月6日にベストアルバム「Delight」を発売した。今回はラジオ番組出演のときの模様をお届けする。インタビュアーはラジオ関西の春名優輝アナウンサー(ラジオ関西『春名優輝PUSH!』2019年11月8日放送回より)。
――アニソン界の鉄人、串田アキラさんをゲストにお迎えします。本日はどうぞよろしくお願いします
「鉄人」じゃなくて、なんだろう最近は「超人」になったかな。
――失礼しました!
いやまあでもそんなに変わらないけれど(笑)。
――「超人」と呼ばれる所以はたくさんあると思うのですが、肉体も超人的ですね。薄手のコートを羽織られていらっしゃいますがその上からでも鍛え上げられているのがわかります。普段からトレーニングされているんですか。
だいたいやりますね。筋肉が衰えちゃうと声も変わってきちゃうので。なんとか少しはやっとかないと。
――声を使う仕事という意味ではアナウンサーの私も後輩になります。筋肉を鍛えることと声は関係しますか?
やっぱり変わりますよ。筋肉を使わなくて共鳴しないところができちゃうと違うと思うんです。でも春名さんもめちゃくちゃいい声ですよ。
――ありがとうございます!
【串田アキラがアニソンを続ける理由……】
――さて、デビューからの50年を振り返って思い出に一番残っているエピソードはありますか?
そうですね、やっぱりデビューした時は、ポップスのような、今とは全然違うことをしていました。思い出といえばアニメや特撮の音楽に傾倒するきっかけですかね。
――きっかけは何だったんでしょうか?
『マッドマックス』の日本劇場公開用に作った「ROLLIN’ INTO THE NIGHT」という曲を歌いまして、これを聴いて褒めていただいたのが作曲家の渡辺宙明先生でした。先生がこれを聞いて『太陽戦隊サンバルカン』の歌手に僕をレコード会社に推薦してくれたんですね。「ROLLIN’ INTO THE NIGHT」が歌えるんだったら『太陽戦隊サンバルカン』も大丈夫だろうという感じだったそうです。もちろんその経緯を私は後から知ることにはなりましたが。これがきっかけで僕が『太陽戦隊サンバルカン』の主題歌を担当しまして。
――そこからアニソン歌手の道が開けてくるわけですね。
最初は難しかったです。『サンバルカン』を歌ったときは、たかが子供のアニメの歌というような感覚でいたのですが、それはちょっと甘く見ていましたね。何度歌っても、なかなかOKが出なくて。「子どもに対してかっこよく歌ってくれ」と言われたんですけれどもそれが全然わからなかったんですね。「もう1回だけ歌って、ダメだと言われたらもうこの仕事は断って帰ろう」と思って歌ったら最後の最後でOKが出たんですよね。
――どうしてOKが出たのでしょうか?
その場ではわからなかった。でも、それが1年後にわかったんですよ。『宇宙刑事ギャバン』をレコーディングしたときにすんなりいったんですね。すぐにOKが出た。これはどうしてだろうと振り返ると、ヒーローは強くてかっこよくて……というだけではなく、もしかしたら、優しさなのかなと。しかもそれは、見え見えの優しさではなくて、秘められた優しさ。これが実は歌に出ていたんですね。
――自然とですか?
そうですね。そこで、もう一度『サンバルカン』を聴き直したら(秘められた優しさが)「出てる」んですよ。「なるほど、これだ!」と。それがきっかけで俺はこの世界に残れると思ったんですね。この2曲が一番思い出に残っている曲ですね、僕としては。
――手応えがあって後からその理由が分かったわけですね。
自分の感覚でしかないのですが、それからそういう歌い方でずっとやってきたら、今日まで歌い続けることができたのかなと。
――なるほど。今回発売される新しいアルバムはCD 2枚と DVD 1枚の豪華3枚組ですが、最後にこのアルバムの聴きどころを教えてください。
そうですね、みなさん収録されている曲を1曲ずつ持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、今回は新曲も入っています。この組み合わせのCDは絶対にないので、ぜひ、このパターンで新しい曲も、なつかしい曲も聴いていただければと思います。
串田アキラ
10代の頃から米軍のベースキャンプでドラムをたたきながらリズム&ブルースを歌う。1969年「からっぽの青春」で東芝エクスプレスよりデビュー、『NHK ステージ101』に出演。1981年の『太陽戦隊サンバルカン』を皮切りに、『宇宙刑事ギャバン』、『キン肉マン』など、特撮・ヒーロー、アニメソングを中心に歌い上げるだけでなく、富士サファリパークやALSOKなどのCMソング、ゲームソフトのテーマなどでも活躍。2003年の『爆竜戦隊アバレンジャー』のエンディング・テーマ「We are the ONE〜ぼくらはひとつ〜」で親子三代に聞かれる歌手に。2010年「仮面ライダーオーズ」変身ベルトの音声で出演。2011年TVアニメ『トリコ』オープニングテーマを担当。また2019年もアニメ『ジモトがジャパン』テーマ曲を歌唱するなど、増々精力的に活動をしている。
また、国内に留まらず、海外にも積極的に活動の場を広げ、フランス、スペイン、ブラジル、パナマ、コスタリカ、エルサルバドル、グアテマラ、中国に招待され、各国で好評を博す。力強く、それでいて暖かい歌声で 聴く人を魅了し続けている。
串田アキラ公式サイト
http://www.snowkey.net/Qu-cy/
日本コロムビア「串田アキラ情報ページ」
https://columbia.jp/artist-info/qu-cy/
串田アキラ公式Twitter(@SnowkeyStaff)
https://twitter.com/snowkeystaff