指定暴力団「六代目山口組」(神戸市灘区)と「絆会」(大阪市中央区)が対立抗争状態にあるとして、兵庫や大阪など6府県の公安委員会が、暴力団対策法に基づき、活動を大きく制限する「特定抗争指定暴力団(※)」に指定した。
指定は4例目で、6月21日の官報で公示し、効力が発生する。期間は3か月だが、抗争が終結したとみなされるまで更新される。
絆会は六代目山口組から分裂して発足した神戸山口組の一部直系組員らが離脱し、2017年4月30日に結成された。
両組織をめぐっては、2022年1月、茨城県水戸市で六代目山口組系組織の幹部が射殺され、絆会の幹部(55)が殺人罪などで起訴された。2023年4月、神戸市長田区のラーメン店で起きた六代目山口組系組長射殺事件で、兵庫県警が6月7日、この幹部ら5人を逮捕した。
「特定抗争指定暴力団」に指定されると、公安委が定めた警戒区域内で、事務所への立ち入りや組員がおおむね5人以上で集まることなどが禁止される。違反が確認された場合は警告なく逮捕することができる。
さらに両組織の拠点、関係先がある神戸市、大阪市、水戸市、名古屋市などを「警戒区域」とし、活動を規制する。
特定抗争指定暴力団をめぐっては、これまでに▼「九州誠道会(福岡県大牟田市・解散後別団体に)」と「道仁会(同県久留米市)」~いずれも2014年に解除▼「六代目山口組」と「神戸山口組」▼「六代目山口組」と「池田組(岡山市北区)」が指定されている。
※指定暴力団のうち、対立抗争状態にあり、市民の生命・身体に重大な危害を加えるおそれがあるとして、都道府県公安委員会が指定した組織。2012年10月の暴力団対策法改正により制度化された。
今回は、兵庫、大阪、滋賀、茨城、三重、愛知の6府県が該当する。