とあるラジオを聴いていると、「書店の店員はなぜエプロンをつけているのか」という趣旨のネタメールが読まれていました。エプロンといえば飲食店などのイメージであり、取り扱われる本は汚れとは遠い印象であり、また、本を取り扱う図書館の司書の方々もエプロンを着用されています。確かに、なぜなのでしょうか。図書館向け用品の販売を行う社会福祉法人・埼玉福祉会に話を聞きました。
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図書館事業部を持ち、装備事業や図書館用品の販売などを行っている埼玉福祉会はオリジナルの図書館向けエプロン「ライブラリーエプロン」も販売。ライブラリーエプロンは図書館の他、書店の制服としても引き合いがあるそうです。
ではなぜ、図書館や書店の従業員にエプロンが必要なのでしょうか。埼玉福祉会によると一番大きな理由は「意外と力仕事が多く、汚れることが多いからです」とのこと。
「本自体はきれいですが、納品された時の段ボールは汚れていることがあります。重い段ボールを全身で支えて運んだり、また、書庫は埃も多かったりするので、下に着ている私服や制服を汚さないためにもエプロンは重要な役割を果たします」(埼玉福祉会)
さらに、キッチンなどで使うエプロンと比べ、ライブラリーエプロンは本を扱う業務に特化した特徴があるとのこと。
「一つはポケットが多く備えられていて、よく使うペンやカッターなどを収納できるところです。作業は両手が塞がることが多いので、ポケットはかなり重宝します。あと、普通のエプロンと比べて丈が長く作られています。しゃがんで作業することが多く、膝をつくときにエプロンを下に敷いて膝を汚さないようにできます。また、階段の昇り降りや、しゃがんでの作業がしやすいように両脇にスリットが入ったタイプも用意しています」(埼玉福祉会)
ちなみに、埼玉福祉会の運営するECサイトでは個人でもライブラリーエプロンの購入が可能とのことです。
(取材・文=宮田智也)