神戸の地で長年にわたり活躍を続けている経営者が、地元の現状に対する危機感や未来への思いなどについて、ゲスト出演したラジオ番組で持論を展開しました。
株式会社カーネル総合研究所(神戸市中央区)代表で、カーネルグループ会長の宮本道吉さん。港町の歴史を知るリーダーは、阪神・淡路大震災を境に状況が一変した神戸を憂うひとりです。
震災発生前までの神戸について、「セカンドカーが売れたり、ファッションやグルメなど、“阪神間のお嬢さんの文化”がもてはやされていた」まちだと語ります。
その背景については「明治維新後、神戸港・阪神工業地帯を中心に経済が勃興した影響。さらに経済界の創業者のストックが蓄えられ、2代目や3代目になると稼いだものがすべて可処分所得になるという家庭も多かったから」と、独自の見解を明かします。
一方、震災後は、「(富裕層などの)屋敷や工場・医療機関などが甚大な被害を受け、借入をして再建すると可処分所得が下がるため、人々が消費をしなくなった」と、宮本さん。「行政自体が震災による膨大な借入金を返さなければなくなり、未来への投資をしにくくなった」ことで、神戸のまちの活気が以前ほどはなくなっていると分析。なかでも、人口減が続く状況については、次のように課題を挙げます。
「人口減の原因は雇用。雇用の現場が減ると(神戸に住む人は)よそへ働きに行かないといけなくなる。やはり雇用を作ることが大事。新たな産業をどんどん創出しないと、神戸はちょっと厳しいのではないか……」(宮本さん)
一方、前週の放送でも少子化問題の改善の必要性を訴えていた宮本さん。子育てについても、次のように持論を述べつつ、未来を担う子育て世帯にエールを送りました。
「子育てとは、『エンジン付き』の子どもを育てることであり、いろんな原体験をもって、子どもの中に何か燃えるもの(エンジンのエネルギー)をつくること。両親や周り(の大人)がどういう原体験を指せることが大事かしっかり考えてほしい」
「経営者と親は、基本的に『無免許運転』のようなもの。親になるとき、車の教習所のようなところは当然ないが、その『無免許運転』によって大迷惑している子どももいる。そういうことを意識しながら、親も子ども以上に自分に対して(子育てに関する知識など)投資をして頑張ってほしい」
※ラジオ関西『としちゃん・大貴のええやんカー!やってみよう!!』より
(2024年7月1日放送回)