ヨットで単独無寄港・無補給での世界1周を日本人最年少で達成した西宮市在住の会社員・木村啓嗣さん(24)が、1日、兵庫県庁を訪れ、斎藤元彦知事に、偉業達成を報告した。それまでの記録は、海洋冒険家の白石康次郎さんが1994年に達成した26歳10か月で、木村さんはこの記録を30年ぶりに、2年1か月ほど更新した。
大分県出身の木村さんは、高校生の時にヨットに出会った。海上自衛官を経て現在の会社(株式会社浜田 本社:高槻市)に就職し、会社の支援を受けて世界1周に挑戦した。「現在も肩書は会社員です」という。
木村さんは、2023年10月22日に西宮港をヨットで出航し、5万2000キロに及ぶ世界一周の航海を、ひとりでどこの港にも寄らず2024年6月8日に西宮港に帰ってきた。231日間の航海について木村さんは「何を見てもきれい。太陽も雲の形も、同じ景色が流れることはない」と振り返り、「(ヨットの舵のような役割をする)オートパイロットが壊れるトラブルもあったが無事に帰ってくることができました」と話した。そして、「ヨットは自然が相手なので、自分のせいじゃないことも多い。その理不尽さをしっかり受け止められるようになった。ヨットはいいスポーツだと思います」と締めくくった。
2度目の挑戦で偉業を達成した木村さんは、今後について「失敗してもすぐにあきらめずもう一度やってみようという気持ちを持つことが大事。この経験を子どもたちに伝えていきたい」と話した。