今年は条件最高!1時間に40個?! ペルセウス座流星群 惑星にも注目! 2024年8月星空散歩 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

今年は条件最高!1時間に40個?! ペルセウス座流星群 惑星にも注目! 2024年8月星空散歩

LINEで送る

この記事の写真を見る(1枚)

 夏休み! 夜になっても気温はなかなか下がらず寝苦しい日も多いが、そんな時は星を見るのもいいかも。8月は三大流星群のひとつ、ペルセウス座流星群が最も活発に活動する「極大」を迎える。毎年やってくる流星群だが、天気に左右されることが多い。

 今年は12日23時(午後11時)頃、極大になると予想されている。国立天文台のホームページによると、「この時間はそれなりに多めの流星が見られそうですが、まだ放射点が低く、空の暗い所で観察した場合の流星の数は1時間あたり25個程度と予想されます。最も多く流星が見られるのは放射点が高くなる13日の夜明け近くと考えられ、空の暗い場所では1時間あたり40個程度が期待できます」とのこと。13日の前後、12日と14日の夜明け前も観察のチャンスとなりそう。いずれも21時(午後9時)ごろから出現し始めるが、夜半を過ぎて薄明に近づくにつれて流星の数が多くなると予想されている。

 流星群の観測に影響を与えるのが月の明かり。月は、12日は夜半前、22時(午後10時)ごろに沈むため、流星の数が多くなる夜半から明け方までの時間帯は月明かりの影響がなく条件は良い。つまり「今年は月明かりの影響もなくサイコーの条件じゃ!」と、明石市立天文科学館の人気者・ブラック星博士は言う。あとは天気次第となる。

画像提供:明石市立天文科学館
画像提供:明石市立天文科学館

 この他にも8月は楽しみが多い。

 8月10日は伝統的七夕。国立天文台では太陰太陽暦(いわゆる旧暦)の7月7日にちなんだかつての七夕の頃を「伝統的七夕」と呼んでいる。年によってその日は変わり、2024年は8月10日となる。現在の暦の七夕の頃は梅雨の時期にあたることが多いが、伝統的七夕の頃は夏空が広がることが多い。

 月は夜半前に沈み天の川がくっきり見える条件が整う。多くの人がその様子を楽しむことができるよう、国立天文台では「伝統的七夕の日には、明かりを消して星空に目を向けよう」と呼び掛けている。

 空が十分に暗くなると頭の真上近くにはこと座の1等星ベガ。織姫星とも言われる。その少し南東にはわし座の1等星・アルタイル。彦星が見える。そして北東の空で輝く1等星がはくちょう座のデネブ。この3つを結んでできるのが夏の大三角形となる。空の暗い場所なら天の川もたどることができる。

 そしてこの日はもう一つ。おとめ座の1等星スピカが月に隠される「スピカ食」が起こる。東北地方南部と関東・中部地方より西側(南側)の地域で見ることができる。東北地方北部や北海道では、月とスピカの接近だけとなる。この日の月は半月より少し細めの月。

 スピカは、京都では20時(午後8時)すぎに月の暗く見える側の縁(暗縁)から月に隠される(潜入)。肉眼で見ることもできるが双眼鏡や望遠鏡を使うとより観察しやすい。20時(午後8時)51分ごろ、月の輝いている縁(明縁)から姿を現す(出現)。こちらは月の輝きがあるため肉眼では見づらく、双眼鏡や望遠鏡があったほうがいい。ただ月は低い空にあるので、南西から西の方角がよく開けた場所で観察するといいそう。スピカ食は今年12月25日にも起こる。

 ペルセウス座流星群の後は、惑星に注目。

 8月に入ると未明から明け方の空で木星と火星が見やすくなっている。この2つの惑星の見える位置が近づいていき、15日未明(14日深夜)に最も接近する。どれくらい近づくかというと、満月の見かけの直径の60%程度。

 ただ2つの惑星は低い空にあり、比較的見やすい高度となる2時頃から夜明け前の観察がよさそう。明るさは木星がマイナス2.2等、火星0.9等。木星の方が17倍明るい。とはいえ火星も1等星とほぼ同じ明るさで赤っぽく見えるため、探しやすいのでは。肉眼でも見られるが、双眼鏡を使うとなおはっきり観察できる。低倍率の望遠鏡なら同じ視野でみられ、さらに木星のガリレオ衛星まで見ることができる。ガリレオ衛星は木星の周りをまわっているため、時間が経つにつれ、位置が変わる様子も観察できる。

 8月20日は満月。月と土星が近づく。現在は土星のリングの傾きは真横から見る形に近い。2025年に真横になる。天体望遠鏡で観測するときのポイントである。傾きが変わる理由を調べたり、月や惑星の観察をしてまとめるのも「夏休みの自由研究におすすめですよ」と明石市立天文科学館の井上毅館長は話す。

 そのほか、「80年ごとに爆発的に明るくなるかんむり座T星の増光も近いとされている。もし明るくなれば、2等ほどの明るさで数日間輝くと予想されている。見どころが多い夏の星空、ぜひ楽しんでほしい」と井上館長。

 いずれにせよ、星の観察は「天気次第」。ペルセウス座流星群に願いをかけよう。

LINEで送る

関連記事