「時代錯誤なのは指導者なのかもしれない」 スポーツ指導者が語る、業界の現状と今後の課題 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「時代錯誤なのは指導者なのかもしれない」 スポーツ指導者が語る、業界の現状と今後の課題 

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 元ラグビー高校日本代表監督と、育成年代をはじめとする野球の普及活動などを行う団体の代表が、スポーツ界の現状と今後の課題について、ラジオ番組で語り合いました。

一般社団法人野球まなびラボの代表理事・松井克典さん(写真左)、流通経済大学ラグビー部アドバイザーの松井英幸さん(同右)

 番組で共演したのは、元ラグビー高校日本代表監督で、現在は流通経済大学ラグビー部アドバイザーを務める松井英幸さんと、一般社団法人野球まなびラボの代表理事を務める松井克典さんです。

 2023年、JSPO(公益財団法人日本スポーツ協会)が設置した「スポーツにおける暴力行為等相談窓口」に寄せられた、スポハラ(スポーツ・ハラスメント)に関する相談は、過去最多の485件。そのなかでも、「暴言」に関する相談は約40パーセントと半分近い割合を占めています。

 その要因について、かつて体罰的な指導により監督を辞任した経験を持つ松井英幸さんは、「指導者が自身の経験に基づいた価値観で指導することで、そうなってしまう傾向があるのではないか」と、意見を述べました。

 小中学生の野球教室や、現場指導者向けのセミナーの実施に携わる松井克典さんは、現代の情報社会では、YouTubeなどのオンライン資源を通じて選手の知識レベルが向上していることから、「選手がいろんな情報を持っているなか、 やっぱり時代錯誤なのは指導者なのかもしれない」と、指導者の方法論が時代に追いついていない懸念を示しました。

 松井英幸さんは、現代の若い選手たち自身が自己管理と成長の責任を負わされている現状について、「しんどい時代だな」と表現。若い選手に対しては、ティーチング(教える)、コーチング(引き出す)、エデュケート(可能性を育む)といった「段階的なアプローチが必要」だと強調し、指導者の役割について再考の必要性を語りました。

 松井克典さんも、選手の考えを引き出すにも「高校生やそれ以下の若い選手では難しい」との考えを述べ、「ある程度、指導者や競技の考えを追求していかなきゃいけない」と発言しました。

 さらに、「指導者には、個々の選手の背景や特性を理解し、適切な指導法を選択する能力が求められる」と指摘。その点においては、「スポーツ界だけでなくビジネス世界でも、タイプに合わせて指導を変える引き出しの多さが指導力の鍵を握る」と語りました。

※ラジオ関西『アスカツ!』より

一般社団法人野球まなびラボの代表理事・松井克典さん(写真中央左)、流通経済大学ラグビー部アドバイザーの松井英幸さん(同中央右)、ラジオ関西『アスカツ!』番組パーソナリティーの中田仁之(同左)、西岡詩穂(同右)

(2024年8月31日放送回)

☆☆☆

『アスカツ!』(ラジオ関西 毎週土曜午後8時30分~)
アスリートに特化したビジネススクール「Athletes Business United(R)(ABU)」学長の中田仁之とフェンシング元日本代表・2大会連続五輪出場選手である西岡詩穂がパーソナリティ。アスリートをゲストに迎えてさまざまなトークを展開する。
【番組公式Twitter】

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