女子サッカーのINAC神戸レオネッサは、22日、WEリーグ第2節で2連覇中の王者・三菱重工浦和レッズレディースとアウェイの浦和駒場スタジアムで対戦し、1-0で勝利しました。この試合では、MF水野蕗奈選手が、自身のWEリーグ初得点となるゴールをヘディングで記録し、これが決勝点に。2度にわたる左ひざの大けがを乗り越えた23歳のドリブラーが、価値ある白星に大きく貢献しました。
優勝争いのライバルといきなり第2節で顔を合わせたINAC神戸。MF松原優菜選手とともに、新たに先発に名を連ねた水野選手が、この試合で早速、その抜擢に応えました。前半の39分、なでしこジャパン(日本女子代表)DF守屋都弥選手の右クロスに、ファーサイドであわせ、ヘディングシュート。一度はゴールポストに阻まれましたが、その跳ね返りに素早く反応し、再び頭で押し込み、ゴールネットを揺らしました。
長期のリハビリを経て、新シーズンの開幕に間に合うことができた水野選手。状態を見極めながらの出場のため、プレータイムを限定。これまでのWEリーグカップ2試合とWEリーグ開幕戦では途中出場で、7分→24分→31分と、少しずつ伸ばしてきました。そして、2022年12月4日以来、実に658日ぶりにリーグ戦先発のピッチに立った今回は、ハーフタイムまでの45分間、左サイドの攻撃的なポジションで奮闘しました。
INAC神戸は後半、浦和Lの反撃にあい、耐える時間が続きましたが、水野選手のゴールをチームメイトが最後まで死守。水野選手もベンチから選手たちを鼓舞し続けるなど、チーム一丸となって今シーズンのリーグ戦初勝利をつかみ取りました。
試合後のフラッシュインタビューでは、度重なるけがで苦しんだことを聞かれた際に感極まるシーンも見られつつも、気丈に対応。その後にはチームメイトと喜びを分かち合う様子や、サポーターからの応援コールに深々とお辞儀する姿も見られました。クラブの公式サイトには、「出られる時間の中で自分が最大限にチームに貢献できるようにがんばろうと思っていたので、それが得点という形で今日は貢献できたので良かった」という試合後のコメントが掲載されています。
この水野選手の活躍ぶりをラジオ番組を通じて称賛したのは、元なでしこジャパンの川上直子氏。ゴールシーンについて、「守屋選手の右クロスで、相手が中央に寄ったなか、水野選手だけ一瞬、ふと(ファーサイドに)引いて、そこにボールが抜けてヘディングシュート。あそこ(クロス対応)でDFが前に行ったら、『あっ!?』と思って(一緒に)行きがちなものだが、そこを冷静に、行かずにふっと後ろで構えて、ボールが抜けてくるのを待てるところに、いい得点感覚を持っているんだなと感じた」と、ゴールの嗅覚をしっかりかぎ分けた14番を高評価。
そのうえで、「苦しい2年間だったと思うが、ここから。彼女は代表に入っていってほしい選手であり、入っていく能力もある」と、今後の活躍にも大いに期待を寄せていました。
これで1勝1分け、勝点4となったINAC神戸。25日のWEリーグカップ戦(対ジェフユナイテッド市原・千葉レディース、午後6時30分キックオフ@フクダ電子アリーナ)を挟んで、29日のWEリーグ第3節ではマイナビ仙台レディースと対戦します。(午後1時キックオフ@ユアテックスタジアム仙台)
※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2024年9月23日放送回より