兵庫県の斎藤元彦知事が失職し、出直し知事選に立候補すると表明した会見を受け、神戸市の久元喜造市長は27日、囲み取材に応じ、「正直、違和感を禁じ得ない記者会見だった」、会見中の知事の発言について「信じられない」などと述べた。
久元市長は、県政の混乱が長期間続き、停滞していたとし、「どうして全会一致で不信任議決が行われる事態になったのか、知事自身の口から納得できる説明がなかった」と指摘。2人の職員が死亡した件についても「会見で(2人に)『感謝している』とか『哀悼の意を表する』としか言っていない。説明が不十分」との見方を示した。また、不信任決議案可決について、知事が会見で「職を辞すべきことなのか」と話したことにも触れ、「県民の代表である県議会の不信任議決だ。信じられない」と発言を批判した。
斎藤知事が自身の実績としてたびたび取り上げる県立大の無償化については、「全体の学生の中で、わずか2パーセントしか恩恵を受けられず、不公平。やるべきではなかったし、(今後)やるべきではない」ときっぱりした口調。斎藤県政で抜け落ちていた点として、元町周辺と県庁舎の再整備を挙げた。さらに、「人口減少社会に立ち向かう県としてのビジョンが見えてこなかった」「医療格差の問題に明確な方針が示されなかった」との見解も示した。
ソフト施策面についての評価を問われると「素晴らしいと思った施策は正直、ない」と答えた。