国技とも呼ばれ、日本の伝統文化である相撲。9月場所(秋場所)も千秋楽を迎え興奮冷めやらぬいま、相撲ファン垂ぜんの“ある”商品が発売され話題になっているのをご存じでしょうか?
相撲ラバーのみならず多くの注目を集めているのが、相撲好きであれば誰もがピンとくる“お相撲さんの香り”を完全再現したハンドソープ「オスモッシュ」です。キャッチコピーは、「あれ? この香り、近くにお相撲さんいる?」。
なんとも不思議なこの商品について、製造・販売を行う不二商事株式会社の桑山さんと、企画・監修を行った相撲ファン・チャン浅野さんに詳しく話を聞きました。
――製作のきっかけは?
【チャン浅野さん】 もともと、相撲ファンにとって“お相撲さんの香り”といわれれば、「あの香りね!」とすぐに連想できるほど共通認識があるものでした。近くにお相撲さんがいるときに絶対にする独特の香りがあるんです。それこそ、場所中は両国駅で降りた瞬間からその香りがするほど。「そんな大好きなお相撲さんの香りを日常でも味わえたらな……」と思ったのが、最初のきっかけでした。
――どんな香り?
【チャン浅野さん】 強いて言うなら、バニラの香りに近いかもしれません。ただ、バニラそのものでもなくて、おばあちゃんの家のような懐かしさもあり、言葉で説明するのはなんとも難しい香りです。お相撲さんは、皆さん特定のメーカーの同じ整髪料を使って髪を結っているので、その整髪料と汗などが混ざり合って“あの香り”が出来上がっているのかなと思います。
――どのようにして再現した?
【桑山さん】 私たち製作を担当した者のなかには相撲ファンがおらず、まったくわからない香りだったので、何十回も試作しては浅野さんにかいでもらうというのを繰り返して本物に近づけていきました。最初は、1週間かけて作ったのに1秒でNGになることなんかもありました……。
言葉で聞くだけではどうしても難しかったので、実際に稽古場に連れて行ってもらったり、製作スタッフたちで例の(力士が使用している)整髪料を実際に使って1日仕事をしてみてにおいの変化を見たりしながら、1年近くかけて完成させました。弊社のほかの商品と比べると、10倍もの時間がかかっています(笑)。
――出来栄えは?
【チャン浅野さん】 おかげさまで、申し分のない完璧な出来になったと思っています。私自身すでに使っているのですが、手を洗うときはもちろん、デスクに置いているボトルからふとしたときに漂ってくる感じが本当にリアルで、香るたびに現地に行っているときのような幸せな気分になります。お客さんからも、「あの香りが再現されるなんて夢にも思ってなかった!」と、うれしい声が早速届いています。