《2024 兵庫県知事選》原点は赤ひげ 「安心できる暮らし支えたい」 共産推薦の医師・大沢芳清氏 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

《2024 兵庫県知事選》原点は赤ひげ 「安心できる暮らし支えたい」 共産推薦の医師・大沢芳清氏

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 兵庫県の斎藤元彦前知事(46)の失職に伴う知事選(31日告示、11月17日投開票)で、立候補する意向を表明していた医師の大沢芳清氏(61)がこのほど記者会見し、「今すぐ県政を正常化したい。県民の声を聞き、安心できる暮らしを支え、職員が力を発揮しやすい環境にしていきたい」と意欲を語った。共産党が推薦、無所属で立候補する。

会見で兵庫県知事選への抱負を述べる医師・大沢芳清氏(2024年10月11日午前 神戸市中央区・兵庫県庁)

 前知事失職前の9月上旬から、いち早く出馬の考えを示していた。同氏は会見で、“すぐやる政策”として、▽最低賃金を時給1500円以上に引き上げ▽公益通報窓口の外部設置▽18歳以下の医療費無償化、介護施設の増設など福祉・医療の充実、などを挙げ、「水道をひねったら水が出るみたいな『当たり前』を維持し、県民が安心できる暮らしを支えていきたい」と述べた。

 政治の世界は初めてだが、「(暮らしを当たり前に支えるという意味で)政治と医療がまったく違うとは思わない。行政経験がないことでかえってしばられず、組織を変える強みになる」とし、「まずは県職員とできるだけ話をして、自由な発想で新しいことができる環境を作りたい。皆さんの能力を発揮すれば、県政は間違った方向にはいかない」と意気込んだ。

 大沢氏は大阪府岸和田市出身。兵庫医科大学(兵庫県西宮市)を卒業後、整形外科医として県内の病院に勤務。現在は尼崎医療生協病院(同県尼崎市)の院長を務め、今も発熱外来で診療に当たっている。

 立候補を決めた背景には、コロナ禍で自身が経験した、医療体制のひっ迫があったという。勤務する病院でも高齢の重症患者が出たが、高次医療機関の搬送を断られた。集団感染の中で、医療スタッフは朝から晩まで働きづめだった。「病床や保健所が減らされたことが問題だった。そういう権限を知事が担っているなら、県政に関わっていく必要があると考えた」。今回の機会によって、知事へ立候補する意志を固めたという。

 医師を目指したきっかけは、小学生の時に見たドラマ「赤ひげ」。貧しい患者を無報酬で診る医師の姿に感銘を受けた。今でも「壁にぶつかったら本(山本周五郎の小説『赤ひげ診療譚』)を読み返しています」と明かす。

 座右の銘は「勝つことはあきらめないこと」。医師への道も当初は挫折、私立文系の大学を経て再チャレンジし、到達した。「終了まで続けないと勝てない。選挙もあきらめずにできることをめいっぱい頑張っていきたい」と力強く話した。

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