まるで“コメダ珈琲店”に来たかのような気分になれるという、なんとも変わった線香が今年5月に発売され、話題を集めているのをご存じでしょうか? その線香というのが、ローソク・線香の製造販売を行うカメヤマ株式会社が手がける「コメダ珈琲店 ミニ寸線香」です。発売から3か月で1万箱を販売し、夏には一時品切れになるなど、線香としては異例のヒットを記録しているのだとか。
カメヤマ株式会社の公式ホームページをのぞいてみると、「あずきバー」や「サクマドロップス」など、数々のコラボ線香が販売されている様子。気になる“コラボ線香”について、同社の担当者に話を聞きました。
――コラボ線香を製作したきっかけは?
【担当者】 正式には、2009年から販売している「好物シリーズ」という商品になります。白いローソクや普通の線香だけでなく、故人が好きだった食べ物や飲み物を模したローソクや線香を置くことで、より故人に思いを馳せるきっかけにしてほしいという考えから生まれました。
お墓を訪れるとカップの日本酒が置いてあるのを見たことがあるかと思いますが、現在は、動物に荒らされるなどの理由から飲食物をお墓にお供えすることができなくなっています。代わりに「好物シリーズ」を置いていただくことで、天国で好物を召し上がっていただくというわけです。
――ほかにどのような商品がある?
【担当者】 同シリーズには、10種類以上のコラボ線香があります。「サクマドロップス」や「あずきバー」のほかにも、「ミルキー」や「ワンカップ大関」など、故人になじみ深いものになるようにとロングセラー商品とコラボさせていただいております。
たとえば、ワンカップ大関さんとのコラボ線香では、「生前は控えていたお酒を好きなだけ飲んでほしい」と故人を思って選んでいただくことも多いです。※「ワンカップ」は大関株式会社の登録商標です。
――どのようにして作っている?
【担当者】 おなじみの商品の香りを線香で再現するというのは、かなり難しいんです。皆さんもご存じの香りですので、中途半端な再現度ではがっかりされてしまいます。そのため、商品を何度も食べたり飲んだりして試作を繰り返し、最後はコラボ先の方にも実際に試してもらい、お墨付きをいただいて完成としています。
線香に混ぜ込む成分はさまざまですが、「コメダ珈琲店 ミニ寸線香」では、コメダブレンド抽出後のコーヒー粉を使用していて、本物のコメダ珈琲店さんのコーヒーの香りがするようになっています。コメダ珈琲店さんとしても、コーヒーかすのアップサイクルを考えていたタイミングだったそうで、この話を持ちかけたときには大変喜んでいただけました。