26日に東京・国立競技場で行われた国際親善試合、韓国女子代表との一戦で4-0と大勝した、サッカーのなでしこジャパン(日本女子代表)。元代表の川上直子氏が28日放送のラジオ関西の番組で、この試合で活躍が光った選手などについて、感想を述べました。
試合では、海外組が9人先発したなでしこが、32分に北川ひかる選手(BKヘッケン/スウェーデン)のヘディングシュートで先制。すると、34分に藤野あおば選手(マンチェスター・シティ/イングランド)、37分に田中美南選手(ユタ・ロイヤルズ/アメリカ)が、立て続けにゴールを記録し、前半で3-0とリード。ハーフタイムに3選手を入れ替えると、56分(後半11分)には後半からピッチに入った谷川萌々子選手(FCローゼンゴード/スウェーデン)がダメ押しとなる4点目を記録。その後、新たに3選手を投入して攻勢を続けたなでしこは、追加点こそなかったものの、守備ではクリーンシートを達成。その実力を見せつけました。
この一戦で特に目を引いた選手として、川上氏が挙げたのは、谷川選手です。パリ五輪でもブラジル女子代表戦で値千金の決勝点を決めるなど、以前から注目を浴びている19歳ですが、この韓国戦でも存在感を十二分に発揮しました。
「ゴールも、あそこしかないというコース(に決めた)。この子は、じっくりと試合を見ながら、ずーっと動き回っているとかではないが、ゆっくりなこと(プレー)もできるし、『あっ、ここだ!』というところですごくスピードアップした速い動きもできるなど、いろんな動きができ、器用な選手。キックもいい。すごく落ち着いているし、大物になる予感がする」と、若手ながら貫禄ある動きを見せるMFを大絶賛。
そのうえで、「今後、監督が新しくなると、選手も若干変わってくるのかなと思うが、谷川選手は、たぶん先発で、中心になってくるんじゃないかなと。サイズもあるし、すごくピッチの中で存在感がある」と、新たななでしこの主軸候補に挙げていました。
一方、海外組も集結するなど、現状のなでしこのベストメンバーが揃いながら、観衆は1万2420人。5万人以上を収容するスタジアムのため、空席が目立つ形となりました。
この日は、「2024-25 WEリーグ クラシエカップ」グループステージ第5節の4試合が行われたほか、首都圏では同時間帯に横浜の日産スタジアムでラグビー日本代表とオールブラックス(ニュージーランド代表)戦が開催されたこともあり、その影響も多少なりとも受けたかもしれません。川上氏は「国立なので、ちょっと寂しかったし、実際少なかった。おうちで大谷翔平を見ていた人もいたりしたのかな……」と、率直な思いを吐露していました。
さらに、WEリーグのカップ戦では、INAC神戸レオネッサがホームゲーム(vs.ジェフユナイテッド市原・千葉レディース@J-GREEN堺S1メインフィールド 1-1)の入場者数で262人と低迷するなど、なでしこ以上に集客に苦戦。その現状についても触れた川上氏は、「INACのチームとしても、どうやって動員を増やすのか真剣に考えないと。選手がかわいそうというか、たくさんのお客さんのなかでやらせてあげたいし、海外ではたくさんお客さんが入っている。最近、海外に行く選手が多いが、そこ(観客)の部分だけ切り取っても、そういう環境でサッカーがしたいよなという気持ちもわかります。ここから、反省をして、どげんかせんと……」と、ラジオの生放送をとおして国内女子サッカーの集客の重要性を訴えていました。
※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2024年10月28日放送回より