神戸市長田区にあるハマデスポーツ株式会社は、水泳用品専門店として営業を続け50年を迎えた。神戸市内だけでなく、北は豊岡、西は姫路、東は尼崎と兵庫県の広い範囲から客が訪れる。
「元々社長が水泳経験者で、当時は専門店はなかったため水泳に特化しようと、趣味の延長でスタートさせました」と話すのは濱出憲一郎さん。濱出さん自身も濱出さんの子どもも水泳をしているそうだ。
同店は今年9月に低酸素トレーニングスペースをオープンさせた。最近ではこうしたトレーニングができるスポーツ店もちらほらとできているそう。通常は酸素濃度が20%あるが、ここではそれよりも5%少ない15%を目安に設定。標高2500メートルの界隈と同じ酸素濃度にしている。その中で普段通りにトレーニングをすると、いつものパフォーマンスが出ずに体がかなり疲れるといい、トレーニング後に水泳の練習を行うと、体が疲れていつも通りの泳ぎができないほどだそう。
また、この施設では低圧にはせず常圧のまま(※1)のため、高山病のリスクがない中でのトレーニングが可能。比較的安全に低酸素トレーニングに取り組める施設になっている。普段の生活環境ではなかなか叶わない、心臓や肺のトレーニングができると喜ばれているそうだ。(※1 室内の気圧を下げることによって酸素濃度を低下させる=高地と同様の環境を作り出すのでなく、気圧は保ったまま、機械を用いて空気から酸素を分離し、室外に排出することで酸素濃度を下げる)
実力のある中高校生も多いため、次のオリンピックに期待しているという濱出さん。確実に効果が出るとは言い切れないものの、行き詰まっていたり、少し変わったことをやってみたいと考えていたりする生徒には一度試してほしいのだそう。
さらに、「神戸の生徒さんに低酸素トレーニングを体験していただいて、強くなってもらうきっかけになれば。うちだけでできることではないので、学校の先生やスイミングスクールのコーチが中心にはなりますが、オリンピック選手を育て上げるのにこの設備がほんの少しでも役立てばうれしい」と話していた。
※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より