大阪・新世界の観光名所「通天閣」を保有・運営する通天閣観光(大阪市浪速区)が身売りを検討していることが7日、関係者への取材でわかった。
南海電気鉄道(本社・大阪市中央区)などとの間で、株式の売却や資本提携の交渉を進めているという。 売却額や時期は検討中だが、額は数十億円程度になるとみられ、 保有する通天閣とその運営権の譲渡を視野に入れている。
通天閣は新型コロナウイルス感染拡大の収束を受け、訪日客などの入場者が急激に回復。2023年4月〜2024年3月期は、コロナ禍前を超える約137万人が入場した。
こうした“うれしい悲鳴”が聞かれた反面、来場者急増に対応できるインフラ整備が困難になっているという。
また、来年(2025年)開催の大阪・関西万博の先を見据え、関西観光の長期的な発展と経済波及効果を生むために必要な設備投資などを行うためには、より資金力のある企業グループへの加入が必要と判断した。