様々な物資や人件費が高騰する中、新築を購入するのではなく、中古物件を手に入れて住みやすい形にカスタマイズする人も増えている。
「コロナ禍で外出が制限され、家をじっくり見る機会があったためにリフォームを行ったという人も多かったです」と話すのは、リフォーム全般を取り扱う株式会社Zeal(兵庫県神戸市垂水区)代表取締役の桑室知也さんだ。
桑室さんは、父親が工務店を経営していたこともあって、2社のリフォーム会社で経験を重ねたのちに独立。2009年に同社を創業した。社名のZealは「熱意」という意味で、プランニングや工事だけでなく引渡し後のアフターフォローまで、熱意をもった長い付き合いを目指すべくこの社名にしたという職人肌。
リフォームに至るまでの最近の傾向を聞くと、顧客自身がインターネットで多くの知識を得た状態で相談があり、それをよりよい形にしていく流れが多いのだそう。無骨でヴィンテージ感を醸すイメージのある「インダストリアル系」や「ナチュラル系」の部屋にしたいという要望が多く、他にも、「和モダン」な雰囲気にしたいという相談も受けるとのこと。時期としては、ゴールデンウィークやお正月などの長期休暇前にリフォームを終わらせ、休暇中に片付けをする人が多いようだ。
「打ち合わせがほぼ全て。そこがうまくいけば、最後の引き渡しまでスムーズに流れる」と話す桑室さん。事前の打ち合わせで、仕上がりが見えてくるところまでしっかりと詰めて話すように心がけているという。
そんな桑原さんが、数々のリフォームを手掛けてきた経験の中で最近驚いたのが、一軒の木造住宅の中に、楽器演奏ができる「防音室」と、業務用の厨房設備を入れた「キッチン」、耐震性のある「シェルター」という三要素が詰め込まれた家。調理関係の人だったのか、キッチンに関して「職業柄、新商品の開発ができるように業務用の厨房設備を入れたい」との要望があったといい、同社の店舗リフォームのノウハウを生かして対応したのだそう。
「時代が何を求めているかを加味しながら、その時代に沿うようにお客さん目線を持ってリフォームを行っていきたい」と、桑室さんは抱負を語った。
※ラジオ関西『三上公也の朝は恋人』より