私は50ccのバイクに乗ってるんですが、今さらながらタイヤを見たときに、表面部分にタイヤから伸びてきたヒゲのようなもんがいっぱいあるなと思ったんです。
そのヒゲは1センチあるかないかくらいの長さで、ブショウヒゲみたいにヒョロっとタイヤ全体に生えているというか、あるというか。「これってなんか意味があるんやろか?」と思い、バイク屋さんに行って聞いてみました。
バイク屋さんは、「タイヤのヒゲって、これのこと?」と指で弾くように触りながら説明してくれました。
意味があるかないかでいうと、「意味はないね〜」とのこと。タイヤの“ヒゲ”やら“スネ毛”やら呼ばれていますが、業界用語で「スピュー」というそう。
「タイヤは、製造するときに圧力釜で加熱処理をするんやけど、そのときにタイヤの中に空気が残ってしまうとバランスが悪くなってバーストなどの危険性が高くなるねん」(バイク屋さん)
そのため、タイヤを作る金型には空気抜きのための穴があります。加熱処理で発生する気泡をその穴から抜く際、空気と一緒にゴムも穴に入り込むため、こんなヒゲみたいなスピューができるというわけです。
まあ、新品のときはタイヤ全体にスピューがあるんですが、走っていると道路に当たる面からはすぐに取れてなくなるんです。
そして、私のバイクのタイヤ側面に残るヒゲを見て、「はあ〜、結構残ってるやん。タイヤを変えて2年くらい経ってるわりには残ってるなあ……」とひと言。