“ほぼ毎日雷が落ちる国“ベネズエラ 年間300日以上? 真夜中に落雷? ハードな「雷事情」を調査 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

“ほぼ毎日雷が落ちる国“ベネズエラ 年間300日以上? 真夜中に落雷? ハードな「雷事情」を調査

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 南アメリカに位置する国・ベネズエラ(正式名称:ベネズエラ・ボリバル共和国)は、雷が世界一多い国として知られています。その多さたるや“ほぼ毎日”なのだとか。なぜそのような現象が起こるのか、同国の雷事情について「フランクリン・ジャパン」(神奈川県相模原市)に詳しく教えてもらいました。

南アメリカの北部に位置するベネズエラでは雷が非常に多いエリアがあるとか(イメージ)

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フランクリン・ジャパンは雷データと気象データを用い、人命や財産を守るための情報サービスを展開する会社です。同社が運営する雷情報サイト『雷ぶらり』でまずは日本の雷事情を見てみると、2022年の年間落雷日数1位は「新潟県の128日」でした。なぜ新潟県では落雷する日が多いのでしょうか。

「新潟では『冬季雷』と呼ばれる雷が多く発生します。冬季の日本海では、対馬暖流による暖かい海面から水蒸気が供給されて雲が発生し、それが大陸からの北西の季節風にのって発達しながら本州の日本海側に運ばれます。このため、日本海側(特に沿岸部)では落雷が多くなります」と同社は話します。しかしながら、1年のうち三分の一以上が落雷しているとなるとかなりの頻度のように思えるのですが……。

「世界的に見るとそこまで多くはありません。中央アフリカのコンゴ盆地やタンザニアなどの熱帯地域では200日以上雷が発生しています」(フランクリン・ジャパン)

日本では、新潟県の落雷日数が日本一(イメージ)

 では、ベネズエラはどうなのでしょうか。「世界一雷の多い場所」とされているのは同国の「マラカイボ湖」で、南北159kmにも及ぶカタトゥンボ川の河口付近にあり古来より雷が多く発生する場所として知られています。アンデス山脈に東・西・南の三方を囲まれており、残りの北側がカリブ海に面していているという地形のため雷が発生しやすいのだとか。

「ギネス記録によるとマラカイボ湖での1km四方あたりの雷発生回数は年間約250回で、年間落雷日数は300日とされています。つまり、ほとんど毎日雷が発生しているということになります。ちなみに、雷発生数が年間200回を超える範囲は20km四方程度しかありません。この事実は、“非常に限られた地域に雷が集中している”ということを表しているのです」(フランクリン・ジャパン)

雷が落ちる回数が多いだけに危険も多いという(イメージ)

 マラカイボ湖の雷で特徴的なのは、多くの雷が無音で落ちるうえ夜間に発生するということ。多くの地域では雷は16~18時ごろに発生するのですが、マラカイボ湖では深夜1~2時にピークを迎えるそうです。

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 マラカイボ湖の雷は、別名「カタトゥンボの灯台」とも呼ばれています。これは「大航海時代にマラカイボ湖の雷を灯台代わりにしていた」という言い伝えが残っているからなのですが、当時の人々から見ていかに強烈な印象だったかがうかがえますね。

(取材・文=つちだ四郎)

【取材協力】フランクリン・ジャパン
住所 252-0212
神奈川県相模原市中央区宮下1-1-12
電話番号
042-775-5656
公式サイト
雷(らい)ぶらり

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