斎藤元彦・兵庫県知事は22日の定例会見で、「心ない誹謗(ひぼう)中傷などは許されない」と訴えた。
しかし、元県議をSNSを通じて名指しで中傷していた政治団体「NHKから国民を守る党」党首・立花孝志氏について直接言及することはなかった。
昨年(2024年)11月の知事選で立花氏は、自身の当選を目的とせず、斎藤知事の応援のために立候補した。
そして街頭演説で、「元県議が告発文書を作り、(斎藤県政を)転覆させるようにした」などと述べていた。
元県議の死亡後には、「兵庫県警から任意聴取を受け、逮捕される予定だった」という趣旨のコメントを投稿していた。
斎藤知事は会見で、「すべてのSNSを使用するすべての人に対して、誹謗中傷する発信はやるべきではない」と繰り返した。
一方で、「立花氏をはじめ、多くの人がSNSで発信しているので、こちらがひとつひとつ把握するのは難しい、確認する立場ではない」と、立花氏について直接言及することはなかった。
斎藤知事はこの日、「SNSでの誹謗中傷を抑制する条例制定に向けた議論を進める」と述べ、2025年度中の制定を目指すとした。
ただ実効性について、「SNSの個人間のやりとりについて、個人の発信に行政がどこまで介入できるか難しい」との見解を示し、具体化に向けて有識者会議やパブリックコメントを経て内容を精査するという。