ひと昔前までは「子どもが遊ぶモノ」というイメージが強かった“おもちゃ”。現在では、大人でも遊んだり収集したりするのが当たり前になりました。今回は、1970年の発売から子どもだけでなく大人までも虜にした『トミカ』について、株式会社タカラトミーに話を聞きました。
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トミカは1970(昭和45)年8月18日に6車種が同時発売され、今年で55周年を迎えたロングセラー玩具です。当時は外国製のミニカーが全盛でしたが、「日本の子どもたちに、もっと身近な国産車のミニカーで遊んでもらいたい」という思いから、同社2代目社長である富山允就(まさなり)氏が発案。当時の社名「トミー」と、車を意味する「カー」を合わせたことが名前の由来で、発売当初から大ヒットし、大人のミニカーファンから子どもたちまで幅広いファン層を作ることに成功しました。「日本国内での自動車利用が急速に普及したこと」「高度経済成長期の建設ラッシュによる“働くクルマ”への注目」「スーパーカーブーム」などの社会トレンドも影響し、現在も続く豊富なラインナップが形成されたのです。
トミカシリーズはこれまでに国内外累計1万種以上の車種を発売、2024年12月時点で累計販売台数は10億台(※)を超えるのだとか。これは約55年でおよそ1.8秒に1台売れている計算です。
トミカは車種の細部に至るまで非常に精巧に作られている反面、「子どもを傷つける恐れがある突起物は排除する」という考えのもとサイドミラーは装着しておらず、安全性にも配慮していることが伺えます。
ちなみに発売当初からパッケージに使用している車のビジュアルですが、なんと写真ではなく全てイラストなのだそう。これには、クルマそのものの姿・走行シーン・カッコよく停まっているシーンなどを含め、「子どもたち自身が運転する様子をイメージしながら遊べるように」という狙いがあるとのこと。
購入層は3~4歳の子ども・ファミリーが中心ですが、往年のトミカで遊んでいた大人ファンも多く、2015年からは“大人のためのトミカ”シリーズ「トミカプレミアム」を展開。こちらは「コレクションしたくなる多彩なラインアップ」をテーマに、よりリアリティを追求したカラーやデザインが魅力のモデルだといいます。
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55周年ということで自動車メーカー5社とタッグを組み「トミカ55周年自動車メーカーコラボプロジェクト」やファン感謝祭「TOMICA OWNERS MEETING」の開催、大人向けプレイセット「tomica+」シリーズなど、“トミカ界隈”はますます盛り上がりを見せています。
(※)「トミカ スタンダードシリーズ」「ドリームトミカ」「トミカプレミアム」「トミカリミテッドヴィンテージ」(発売元:株式会社トミーテック)の他、国内外のシリーズ総合計。「トミカワールド」などダイキャスト製ミニカー以外の商品は除く。
(C)TOMY
※ラジオ関西『Clip火曜日』2025年2月4日放送分より