日本酒になる前段階で発酵した醪(もろみ)とウイスキーの原酒。コラボレーションすると、百花蜜(ハチミツ)のような甘さと、ほどよい酸味が生まれた。
日本酒大手・菊正宗酒造(本社・神戸市東灘区)が、日本酒の醸造過程でウイスキーの原酒を加えた『FORTIFIED SAKE NIPPONION(フォーティファイド・サケ・ニッポニオン)』を昨年(2024年)末から販売している。
2900本限定で、490ミリリットル1万1000円(税込み)。
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菊正宗が仕込んだ醪(もろみ)に、サントリー山崎蒸留所(大阪府島本町)のミズナラ樽で造ったウイスキーの原酒を加えて酒精強化し、さらに同じウイスキーの原酒をブレンドする、という製法で手間をかけて丁寧に仕込んだ。
酒精強化とは、醸造過程でアルコールを添加し、全体のアルコール度数を高める方法で、通常よりも糖度が高く、味わいに複雑さやコク、深みが生まれるという。
アルコール度数は17%。リキュールに分類され、日本酒やウイスキーのニュアンスを感じさせながらも、新たな味わいとなった。
口に含むと、最初に樽の香りがして、バターキャラメルでコーティングされたイチジクやライチのような風味がするという。
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菊正宗の開発者は「調和する優しい世界」と評している。
早朝の森を思わせる静けさをデザインにまとわせ、オリエンタルな芳香を放つ国産のミズナラプレートと、ミズナラ大樹の栞をあしらった。
吟醸などの果実の香りとは異なり、これまでにないトロピカルな果実の風味を感じることができ、大きく宣伝していないにもかかわらず、売れ行きは好調だという。
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「FORTIFIED SAKE NIPPONION(フォーティファイド・サケ・ニッポニオン)」は、 菊正宗酒造記念館(神戸市東灘区)や菊正宗通販サイトで2900本限定で販売されている。