姫路信用金庫 24年12月期「景況レポート」 悪化を予測する企業は少数 底堅く堅調の評価 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

姫路信用金庫 24年12月期「景況レポート」 悪化を予測する企業は少数 底堅く堅調の評価

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 姫路信用金庫(本店:姫路市十二所前町105)はこのほど、取引先企業の景況感を調べる「景気動向調査」を行い、結果を「ひめしん景況レポート(2024年12月期)」として発表した。調査は12月上旬、取引先450社を対象に実施、444社から回答を得た。対象期間は、24年10月から12月までの3か月間。

姫路信用金庫本店
姫路信用金庫本店

 同金庫の調査は、1975年から四半期に一度実施しており、今回が197回目。対象は、兵庫県播磨地域から明石市、神戸市にかけての企業で、「製造業」と「非製造業(卸売、小売、運輸・サービス、建設、不動産)」の計6業種に分けて行う。対象のうち87%以上が従業員50人未満の規模と、中小企業や地場産業の業況を反映した調査となっているのが特徴。

 調査の結果、全体の業況判断DI(景況が「良い」と感じている企業の割合から「悪い」と感じている企業の割合を引いた指数)は、全業種の総合で、前期(24年7-9月期)から1ポイント増の▲4と改善した。

 業種別で見ると、「製造業」は前期から3ポイント減の▲4と悪化。「非製造業」は前期から2ポイント増の▲4となり、卸売業、建設業を除く3業種で改善した。来季(25年3月期)の業種別予想では、建設業・不動産業は今期より改善する見通し。

「製造業」は前期から悪化した。21業種中、金属製品や建築用金属製品など6業種で改善し、悪化したのは一般機械器具や輸送用機械器具など10業種だった。改善した業種には、人員不足について外国人の雇用で対応するなど(建築用金属製品)課題解消に向けた取り組みも見られる。悪化した業種の中には、取引先であるトヨタ自動車の認証不正により生産を停止していた影響を受けた業種(輸送用機械器具、窯業・土石)もあった。来期の予想業況判断DIは今期から6ポイント減の▲10と悪化の見通し。

「非製造業」は、小売業、運輸・サービス業、不動産業では改善したものの、卸売業では小幅悪化、建設業は悪化した。来期の予想業況判断DIは、建設業、不動産業は6~7ポイント改善。卸売業、小売業、運輸・サービス業は1~5ポイント悪化するとみている。改善を見込む建設業は、大阪・関西万博パビリオン建設の受注も確保しており安定推移が見込まれる業種もある一方で、材料費の価格高騰や人員不足から外注率が増加し、利益縮小が続いていることが課題となっている。

景況調査の様子 (提供:姫路信用金庫)
景況調査の様子 (提供:姫路信用金庫)

 さらに、「2025年(令和7年)の経営見通し」をテーマに特別調査を実施。「2025年の日本の景気をどのように見通しているか」との問いに、「良い」とした回答割合は7.3%となり、「悪い」の回答割合50.4%を大きく下回った。また「(自社の)業況が上向く転換点をいつ頃になると見通しているか」の問いに対しては、「すでに上向いている」を含め「1年以内」が46.8%となり、前回(23年)調査から11.3%増加した。

 同金庫の三宅理事長は「資金繰りよりも人員不足に悩む企業も多く、人員が確保できないことによる受注機会の損失なども課題となっている」と述べ、「自社の業況を良いと評価する企業や、来期以降の業況改善を見込む企業は少数である一方で、悪化を予測する企業も少数であり、これはコロナ禍のデータと比較して明らかである。総じて業況は底堅く、堅調であると考えている」と締めくくった。

(取材・文=洲崎春花)

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