バレーボール・SVリーグ女子のヴィクトリーナ姫路は12日、女子日本代表の井上愛里沙選手(29)が2024-25シーズンをもって現役を引退すると発表しました。

京都府舞鶴市出身の井上選手は、178㎝の身長と高い打点から繰り出すアタックが魅力のアウトサイドヒッター。筑波大学を経て、2018年から久光スプリングス(現:SAGA久光スプリングス)でプレーし、皇后杯やV1リーグ戦で優勝ならびにMVPの実績を残しました。
2022年からの1シーズン、フランスのサン=ラファエルに所属し、2023-24シーズンからヴィクトリーナへ加入。当時Vリーグ2部だったチームの完全優勝や、昨年12月の皇后杯でクラブ創設以来初のタイトル獲得に大きく貢献。今シーズンから始まったSVリーグでも上位戦線で奮闘するチームの牽引役となっていました。
女子日本代表としては2014年に初選出され、2022年の世界選手権や昨年のパリ五輪でメンバーに名を連ね、活躍しました。
ヴィクトリーナは「今まで積み重ねてきた井上選手の努力・貢献に心から感謝し、これからの挑戦を百%応援してまいります」と述べています。
井上選手は、クラブを通じて、次のように長文のメッセージを発表しています。
▼井上愛里沙選手のコメント
今シーズンをもって現役を引退することを決断いたしました。
“バレーボール”は私にとって宝物です。私を未知の世界へ連れて行ってくれた、それが”バレーボール”、楽しい、悔しい、苦しい、嬉しい気持ちをたくさん感じさせてくれた、それが”バレーボール”、数々のかけがえのない出会いをもたらしてくれた、それが”バレーボール”でした。
私はなりたい自分に近づくためにこれまで全力で駆け抜けてきました。その中でこれまでの様々なご縁、人とのつながりの中で、一つ一つ積み重ね、今の自分があると思っています。自身の成長を感じさせてくれるバレーボールというスポーツに出会えて幸せな競技人生でした。
まず、私を受け入れてくださったヴィクトリーナ姫路のチームメイト、スタッフ、関係者の皆様。昨シーズンはV2リーグ優勝、今シーズンは天皇・皇后杯でチーム初となる優勝を皆様と分かち合えたことを非常に嬉しく思います。これまで長く積み上げてきた土台があってこその結果であり、全員で掴み取ったあの頂の景色は今もこれからも忘れません。
また、日頃よりヴィクトリーナ姫路を支えて頂いているスポンサー様、後援会の皆様をはじめ関係者の皆様へこの場をお借りして改めて感謝の想いを伝えたいです。こうして当たり前のようにバレーボールができる環境が成立しているのは、皆様のご尽力の賜物です。ありがとうございます。
そして、どんな時でも応援して下さるファンの皆様。皆様の温かさに触れ、背中を押してくださり、数々の勇気をもらいました。ヴィクトリーナ姫路のアットホームな温かい応援が私は大好きです。残り試合が少なくなってきたなかで、ひとりでも多くの皆様に会場で、そして配信を通じて、私のプレーを観て頂きたい、そしてお礼を伝えたいと考え、発表させていただきました。