2021年11月、兵庫県稲美町の自宅に火をつけ、おいの小学生兄弟を殺害したとして、殺人と現住建造物放火罪に問われた男（54）の控訴審判決で、大阪高裁は14日、検察側の控訴を棄却し、一審・神戸地裁姫路支部の判決と同じく、懲役30年（求刑・死刑）とした。
男は2021年11月19日深夜、妹夫妻らと同居していた兵庫県稲美町の木造2階建ての自宅で、押し入れに収納していた布団にガソリンをまいて火を放ち、家を全焼させ、就寝中の兄（当時12歳・小学6年）と弟（同7歳・同1年）を殺害したとされる。
男は一貫して起訴内容を認め、「死刑にしてもらってもかまわない」などと述べていた。一審・神戸地裁姫路支部は、被告の行動をカメラで監視するなどの妹夫妻の行動や、軽度の知的障害の影響などを考慮して有期刑の上限（懲役30年）を選択した。
14日の判決で大阪高裁は、「犯行動機が妹夫妻への恨みである中、一審判決で指摘された妹夫妻の行動や態度にも行き過ぎた面があったことは否定できず、恨みを抱くのも無理からぬ点があった」と指摘、一審と同じ懲役30年の判決を言い渡した。
