兵庫県が設置した第三者委員会に関する情報公開請求について、上脇博之・神戸学院大学教授や弁護士28人が25日、県を相手取り、神戸地裁に非公開決定の取り消しを求める訴訟を起こした。


兵庫県をめぐる第三者委は3つある。
まず、元県民局長の男性(2024年7月死亡)が斎藤元彦・兵庫県知事らを内部告発した「文書問題」を調査していた第三者委は、19日に調査報告書を県の監査委に提出。
斎藤知事のパワハラ行為について10件を認定し、斎藤知事らの”告発者探し”については、公益通報者保護法違反とした。

今回、上脇教授らが提訴したのはそれ以外の2件。
▼兵庫県の元総務部長らが、元県民局長の公用パソコンにあったプライベート情報を兵庫県議らに漏えいした疑い
▼政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が、SNSなどで元県民局長に関するプライベート情報を漏えいした疑いをそれぞれ調査する第三者委について。

兵庫県はこの2件に関して、設置要綱や委員(弁護士など)の人数、氏名などを開示せず、その理由も明らかにしていない。
内閣官房機密費の使途や、学校法人・森友学園への国有地売却をめぐる公文書改ざんなどについて国の公文書の情報公開請求に取り組んできた阪口徳雄弁護士(大阪弁護士会)は、「設置要綱や第三者委員会委員の名簿まで非公開になるのは、経験上初めて。普通の自治体ではあり得ない。県民の知る権利を阻害している」と話した。

憲法学が専門の上脇博之教授は、「通常、こうした情報が非公開になることは常識ではあり得ないし、意味がわからない。調査に何か支障があるのだろうか。公開しないことで不信感を生んでいる。県内部に何らかの圧力があったのではないかと疑念が生じてしまう。県民の知る権利の保障や、説明責任を果たす必要があるのに、情報を開示しない兵庫県は真っ当な自治体の体をなしていない。(訴訟について)勝算はある」と力を込めた。