和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで飼育されている全4頭のジャイアントパンダが、ことし6月末をめどに中国へ帰国することが決まった。アドベンチャーワールドが24日に発表した。
四川省の成都ジャイアントパンダ繁育研究基地に帰ることになったのは、いずれもメスの4頭、24歳の「良浜（らうひん）」と、その子どもである8歳の「結浜（ゆいひん）」、6歳の「彩浜（さいひん）」、4歳の「楓浜（ふうひん）」。
アドベンチャーワールドによると、日中両国が共同で取り組んできたジャイアントパンダ保護プロジェクトの契約期間がことし8月に満了を迎えることを受け、両国の協議の結果、比較的気温の涼しい6月に帰国することが決まったという。
中でも、24歳となった「良浜」は高齢期に入っており、より充実した医療体制と落ち着いた環境が整う中国での生活が望ましいとの専門家の意見もあり、帰国が決まった。
また、子どもたちの3頭については将来の繁殖を見据えたパートナー探しのため、中国で新たな環境に移る。
4頭は帰国に先立ち、約1か月間の隔離検疫を受ける予定で、この期間中はガラス越しでの公開を予定。詳細については、今後あらためて発表される。
アドベンチャーワールドでは1994年から30年以上にわたり、ジャイアントパンダ保護共同プロジェクトを続けてきており、今後も継続に向けて中国側と協議を行うとのこと。
神戸の王子動物園で飼育されていたメスのジャイアントパンダ「タンタン（旦旦）」が昨年3月に病死。白浜のアドベンチャーワールドでは、オスの永明（えいめい）が2023年2月に中国へ帰国（今年1月に永眠）しており、関西でパンダが見られるのは現在の4頭のみになっていた。
