「カワイイ」60年の歴史がここに サンリオキャラ大集合 サンリオ展 神戸ゆかりの美術館 | ラジトピ ラジオ関西トピックス

「カワイイ」60年の歴史がここに サンリオキャラ大集合 サンリオ展 神戸ゆかりの美術館

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 ハローキティやマイメロディなど、日本だけではなく世界でも人気のあるキャラクターを生み出してきた「サンリオ」。その60年を超える歴史を、日本の「カワイイ」文化として辿る特別展が、神戸ゆかりの美術館(神戸市東灘区)で開かれている。2025年6月29日(日)まで。

「カワイイ」という日本語は、今や世界でも知られる言葉だという。ハローキティやマイメロディなど、サンリオがこの60年間に生み出したキャラクター達は「カワイイ」の象徴となり、日本の「カワイイ」文化を語る上で欠かせない存在となっている。今展では、時代を彩った人気キャラクター達の誕生秘話や裏話、企業としての戦略を、「サンリオ目線」で掘り下げる。

「カワイイ」の始まりはいちごだった。同社が創業した1960年代は高度成長期で実用性が求められた時代。そんな時代に「いちご」をあしらった食器などのグッズは新鮮に映ったという。1960年代半ばには水森亜土ややなせたかし、佃公彦、内藤ルネ、田村セツコなど人気のイラストレーターを登用し、その世界を広げた。また同社は創業当時から出版にも力を入れた。やなせたかしが「抒情詩と絵の季刊誌を自身の編集で出版したい」と要望したことを受け、1973年には『詩とメルヘン』が創刊された。こども向けにも『いちごえほん』が創刊され、会場にはその一部が展示されている。

 その一方でオリジナルキャラクターが生まれる。最初期のキャラクターは「パティ&ジミー」で、これまでに450以上のキャラクターを生み出した。80年代には男の子のキャラクターも多く登場し、当時男性のデザイナーも多かったことが影響している。熾烈な生き残り競争を乗り越え、今も愛され続けるキャラクターも多い。1974年に誕生したハローキティは時代の変化にあわせ進化を続け、誕生から50年以上経った今では日本だけでなく世界で愛される存在になっている。今展ではハローキティがなぜNo.1のキャラクターでありつづけられるのか、「カワイイ」だけではない歴史にも迫る。

展示風景
展示風景

 またサンリオキャラクターに着想を得たアーティストとのコラボ作品も展示。神戸会場では彫刻家・はしもとみお、国内外で高い評価を受ける美術作家・深堀隆介の作品が並ぶ。

はしもとみお『My favorite place』
はしもとみお『My favorite place』
深堀隆介『友游』
深堀隆介『友游』

 キャラクターを通してサンリオが伝えたいことは「平和」であること。「カワイイ」に触れると誰もが笑顔になる。その先には「平和」がある。展示の最後にはキャラクター達が手をつないで呼び掛けている。「世界中がなかよく」と。

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