斎藤元彦・兵庫県知事らに対する告発文書問題をめぐり、政治団体「NHK党」党首・立花孝志氏(57)が行った街頭演説で名誉を傷つけられたとして、丸尾牧県議(60)が5日、立花氏を相手に1100万円の損害賠償を求め、神戸地裁尼崎支部に提訴した。

訴状によると、昨年(2024年)11月の県知事選に立候補した立花氏が、選挙期間中の11月2日、西宮市内の商業施設で行った街頭演説で、元県民局長の男性(2024年7月死亡)が作成した告発文書について、「実は丸尾とかが書いたんですって、嘘を。あの告発文書は丸尾牧も書いとるんです(中略)こいつらがデマを流している」などと言及したとしている。


丸尾県議は、男性の告発文書について調べる県議会調査特別委員会「百条委員会」の委員を務めていた。
さらに丸尾県議が昨年4~6月、県職員を対象とした斎藤知事のパワーハラスメントなどに関する独自のアンケートを実施したことについて、立花氏が「(丸尾氏が)原案を作って、噂話で庁内に広めた。『パワハラしている知事』って、メディアと一緒に盛り上げた」と発言したとしており、これらは事実無根の虚偽事実であると主張している。

丸尾県議は同日の会見で、自宅に自身を誹謗(ひぼう)中傷する内容の電話が鳴り続け、家族にも影響がでると懸念、精神的に追い込まれ、「議員を辞職しよう」と思った時期もあったことを明かしたうえで、「虚偽の発信で人を貶(おとし)めることは許せない。これでは民主主義の規範が崩壊するし、特に議員にとっては言論の萎縮につながる。今回の提訴が歯止めとなるきっかけになればと思う。なぜ、立花氏がデマを流し続けたのか、周辺事情も明らかにしたい。また、日本での情報発信におけるファクトチェックの脆弱(ぜいじゃく)さも問いただす裁判になれば」と話した。

一方、立花氏は自身の動画投稿サイト・YouTubeチャンネルで「丸尾県議、提訴していただいてありがとうございます。訴訟に関しては訴状が到着しだい、丁寧に対応します」とコメントしている。







