増える新卒離職“ラジオ”が歯止めに? 元人事の起業家が見出す「新しい社内コミュニケーション」とは | ラジトピ ラジオ関西トピックス

増える新卒離職“ラジオ”が歯止めに? 元人事の起業家が見出す「新しい社内コミュニケーション」とは

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 企業にとって大きな損失につながる社員の離職。新入社員の約3割が3か月以内に辞めると言われ、いかに離職率を下げるかが大きな課題となっています。そんな中、企業の団結力を強くするために“意外な方法”を提案している会社があるとのこと。詳しく調べてみました。

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 取材したのは、大阪市守口市にある株式会社オフィスエンニチ。「社員を会社のファンにする」ことを目的とした“社内ラジオ”の作成・配信サービスを生業としています。これはどういったものなのでしょうか?

新入社員が3か月以内で辞めてしまうという厳しい現実に、いま世の企業は直面している

「社内ラジオとは、企業理念の浸透や情報共有・部門間コミュニケーションの活性化などをはかるためのオリジナル音声番組です」。こう説明するのは、同社代表取締役の高間俊輔さん。

 高間さんはかつて企業の人事担当をしておりマーケティング講師なども務めていましたが、突然の退職を迫られたそう。途方に暮れていたところ、友人の言葉が大きなヒントになったのだとか。「当時、趣味でインターネットラジオをしておりまして。その活動を知っていた知人から『仕事にすればいいのに』と言われたことがきっかけで、事業を立ち上げました」と振り返ります。

 さて冒頭に述べたように、社内ラジオを使うことで「社員の会社愛」はどのように高められるのでしょうか?

「経営層からのメッセージ発信をはじめ、社員インタビュー・成功事例共有など様々なコンテンツをちりばめます。あまり話したことがない同僚でも、ラジオを通じてその人柄を知ることができます。職場の事を知ることでよりコミュニティに溶け込みやすくなりというメリットもあり、離職を減らすことへの期待もできます」(高間さん)

同じ立場の同僚からの声は、より社員に響く?

 実際、社内ラジオを採用した企業の中には「離職率が半減した」「新人の定着率が上がった」という声もあるのだそう。

 オリジナルのラジオ配信は、企業だけでなく高齢者施設などでも効果があると高間さん。「入居者同士の交流がなくても、ラジオが日常の中にあることで施設内の人々が『見守られている』と感じることができるのでは」と語ります。

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「人と人をつなぐ力がラジオにはある」。こうした高間さんのような新たな視点は、増加の一途をたどる昨今の離職率に歯止めをかける一石となるかもしれません。

社内ラジオに離職問題解決の糸口を見出す企業も

(取材・文=迫田ヒロミ)

※ラジオ関西『Clip』2025年6月11日放送回より

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