神戸で、世界のチョコレート店を訪ね歩く旅はいかが?パリやメルボルンなど、各地にある実在の店を精巧に再現したミニチュア模型が並ぶ企画展が「フェリシモ チョコレート ミュージアム」(神戸市中央区)で開かれている。チョコレートをテーマとした体験型デジタルアートやインスタレーションの展示もあり、斬新なアプローチでチョコの世界に没入できる空間が広がる。

企画展「空想のチョコレートタウン~ミニチュアチョコレートショップの街~」では、同ミュージアムを運営する通販大手「フェリシモ」(同区)のチョコレートバイヤーが実際に訪れた各国のショップ16軒をミニチュアで再現。極小の商品や食器、テーブルと椅子などが並ぶ「店」もあり、眺めていると、小さくなった自分がウィンドーショッピングしているかのよう。店の説明と商品パッケージの紹介もあり、「いつか現地へどうぞ」と誘われている気分になる。




「不思議なチョコレート劇場~メタモルフォーゼ映像を体験しよう!遊ぼう!~」は別室で開催。デジタルアートのクリエイティブ集団「Switch(スイッチ)」が制作したインタラクティブ作品で、壁に映し出された映像に触れると、紙吹雪とともにチョコレートが跳ねたり、滝のように流れ落ちるチョコの中からイチゴが現れるなど、チョコレート好きにはたまらない展開が続く。部屋の中央に置いてある6つのパッケージごとに映像が異なり、小さな子どもから大人まで、時間を忘れて楽しめる仕掛けが満載だ。


植物染色の専門家でアーティストでもある、いまふくふみよさんが手掛けたインスタレーション展示「体感するアート 植物染の色と語らう 回帰する時間(とき)―たゆたふ―」も。チョコレートの原料であるカカオや草木を使って染められた薄いベールが空間を幻想的に彩る。布で仕切られたエリアの椅子に座ると、まるで自然の中でくつろいでいるかのような、非現実的なひとときを味わえる。作品には、未来に向かって進む「直進的な時間」とは別の、四季や命の再生を表した「回帰する時間」を大切に思ってほしいとの意味が込められているという。





