まもなくやってくる夏休み。「せっかくの長期休暇、行ったことのない場所で思い出に残る旅をしたい」と思う人も多いのでは? こうした旅行先の探し方として、15~20年ほど前まで主流だったのは「旅行代理店への相談」「宿のホームページや旅行情報サイトなどを見比べる」「専門誌やパンフを活用」といったスタイル。しかし最近、特に20~30代の間では、SNSを使った宿探しが“ニュースタンダード”として浸透しつつあるそうです。
最新事情を“お宿集客”のプロ集団「宿バズ」の運営会社である株式会社Acreの代表取締役・酒道駿介さんに詳しく聞きました。
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「旅行会社のサイトで宿を検索したあと、同じ宿をインスタグラムで検索する人は18~34歳では約7割」と酒道さん。特に活用されているのは、90秒以内の短い動画で宿や観光地の魅力をギュッと伝える「リール動画」だそう。「宿泊先の紹介に加え、旅先でのグルメや観光情報が数多く発信されています。実際に滞在したインスタグラマーが“自身の言葉”で紹介しているため、広告的な印象が薄く『リアルな体験』として参考にしやすい点が支持されているのでは」と分析。

試しに筆者もインスタグラムで「お祝い 旅行」と検索。上位に表示されたアカウントのリール動画をチェックしてみました。料理のボリューム感や宿の雰囲気・部屋の広さなど、写真だけではわからない“空気感”が映像を通じてよく伝わってきました。

これまで筆者は、宿泊先ホームページに掲載されたプロカメラマン撮影の美しい写真を見て「本当にこの通りなのかしら?」と感じつつ入念な口コミ確認を重ね判断・決定にいたるも、疑心暗鬼的な気持ちは拭いきれませんでした。
ですがSNS動画の場合は、一般旅行者が撮ったカスタマー視点のリアルな情報が得られるため「イメージと現実のズレ」、いわば“宿選びのミスマッチ”をより高い確率で防ぐことができそうです。また、インスタグラムには保存機能が備わっており「いつか行ってみたい」と思った場所を感覚的にストックすることが可能。具体的に旅行が決まっていなくても、フォルダ感覚で気になる宿をコレクションする人も多いのだとか。

さらに「女子旅」「彼氏が喜ぶ宿」など、シチュエーションで検索できるのもSNSならではのメリットです。
「昔はパンフレットを見て、例えば冬のカニ旅行では料理内容やカニが何杯付いてくるかという点で宿を決めていた時代もありました。今は『自分のスタイル』に合わせて、SNSで宿を選べる時代に。宿の雰囲気が決め手になることも多く、そうした“シズル感”を伝えるにはリール動画が理想のツール言えます」(酒道さん)

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SNS全盛のいまだからこそ、自分の好みに合った宿に出会うチャンスが増えています。今年の夏休みに向けてSNSで探してみるといいかもしれません。
(取材・文=森本真由)





